プリンのプリンス＊２

※これは2話となるので１話からご閲覧いただけるとわかりやすくなっております。

登場人物
＊高沢優季（たかさわ　ゆうき）…一応主人公。
＊高池恭夜（たかいけ　きょうや）…2年からの転校生。プリンのプリンス本人。
＊須藤実花（すとう　みか）…いろいろなことに騒ぐ優季の幼馴染。
＊伊勢先生（いせせんせい）…2年3組の担任になった先生。校内で最もイケメンらしい。

１話はこちらhttp://slib.net/28923

こうしてHRが始まった。
担任は学校の先生イケメンランキング１位の伊勢という教師だった。
しかし、そんなこと私にはどうでもいいこと。確かに今の私でなければ今頃騒いでいたかもしれない…
でも、今は！
「あっ。あのぅ…」
と前の人に声をかける。私の前に少しの緊張が走る…
そして、
「何？」
と振り向いたそいつの顔は…
プリンのプリンスだった。
「えっと、あの、すいません。人違いじゃありませんでした。」
と意味不明な日本語を話してしまった。絶対変な人だと思われた…
「なんなんだよ。お前、変なやつだな。」
と笑って前をむいた…
うわ。なんか馬鹿にされた気分…
プリンのプリンスの正体はこんなだったとは…
最初のHRは嵐のように終わっていった。

そして、自己紹介を前後でするという時間がやってきた。
「あっ。その前に、二年生から新しく転入して来た人がいます。
では、高池前に出てきて。」
といって前のプリンのプリンスが立ち上がった。あっ。でも、あんまりプリンスって感じじゃなかったから、プリンスって言うのやめようかな。
プリンでいいや。
「高池恭夜です。この街に来てからまだ１週間くらいなんで街のことをいろいろと教えてくれるとうれしいです。俺が行けるのはいまだに学校と駅くらいだから。よろしく。」
とプリンの自己紹介が終わった。女子に人気があるみたいで黄色い声があがってる。
まぁ、かっこいいっちゃかっこいいけど？なんか納得できない…
「では、前後の人と自己紹介をしてください！じゃぁ、偶数列の人は前の人とやってね。では、開始！」
なんとまぁ、私は出席番号20なわけでプリンと自己紹介をすることになった。
「あっ。えっと、高沢優季です。よろしく。」
「俺はさっき話したとおり。で？さっき、俺に何を言おうとしたの？」
「あっ。えっと…」
まさかのその話題？！どうしよう。なんて言えばいいの？
「車内であったことあるよね～　プリン頭だから良く覚えてるよ」
なんて言えるわけがない。えっと、うーんと。
「い、いや、今度街を案内してあげようか？」
…。そんな気は毛頭ないのに…。
「えっ。それってデートしてくれって言いたいの？」
と大声で言ってきた。・
「はぁ？んなわけないだろ！このぷｒ…」
「えっ！高沢いきなり告ったの？根性あるぅ～」
「うわっ。まさか、優季に高池君を先にとられると思わなかった…」
とクラスの注目を一瞬にして集めてしまった私。プリンめ。声でかいんだよ…。
実花も驚いた顔をしている。まぁ。そうだよね。こんな女子力のかけらもない私が転校生に告白したことになってるんだもんね…
はぁ。これからどうしよう。
「…。」
「で、どこ案内してくれんの？」
「…。」
「おい？聞いてんの？」
「今、その話するとか馬鹿なの？TPOを考えなよ！このKY！」
と叫んでしまった。みんなも驚いているが、多分私が一番驚いている。
「何だよ。急にキレちゃって。このキレ女。」
とプリンはイラついた様子で前を向いた。

――――放課後

私が叫んだせいかあの異様な空気の教室ではなくなっていた。何もかもが戻った。ただひとつを除いて…
そう、それは
「ねぇ、キレ女さん。どこを案内してくれるの？」
と、プリンがまとわりつくようになった。
「おっ？なんだ～　ちゃっかり恭夜くんと仲良くなっちゃって～　ヒューヒュー。」
「実花まで…　ちがうから！！」
まったく。最近の女子高校生はこういう展開にもっていくの大好きだな…
まぁ、私も最近の女子高校生に当てはまるだろうけど、
「じゃあ、とりあえず、あそこにしたら？」
「あそこ？」
「うん！横浦商店街！」
あぁ。確かに、商店街ならデートって勘違いされにいくいし、最近行ってなかったからな…
「てかさ、高池って何処に住んでんの？」
「永見町だけど？」
…。
「えっ！私達のご近所さんだったんだ！じゃあさ、待ち合わせは高池君の家の前にしたら？だから、一緒に帰らない？」
「実花、勝手に決めないの。だいたい、永見町っていったってどこらへんかわからないし…。」
「だからついていくんでしょ？まったく。優季は変なところで頭使わないんだから～」
と実花のおかげ？で話が勝手に進み、プリン宅にたどりついたのだった。