また会う日を楽しみに Ⅱ
「ん~~!学校終わり~っと」
今日はやけに時間が過ぎるのが長かった気がする。高橋君・・・じゃなかった、刹那が転校してきたからだろうか。
というか。
『ユキ、ここ教えてくれない?』
『ユキを見ていると全然飽きないなあ』
『ユキのお弁当おいしそうだね、ちょうだい』
は、話しかけてきすぎだし・・・!!
どうして私にばかり話しかけてくるのだろう。私なんかよりももっと仲良くなって損しない人なんて大勢いるというのに。
「雪~!放課後、暇?暇だったら、なんか食べに行こうよ~!」
真咲が笑みを浮かべながら走ってきた。
「放課後?ああ、放課後ね。いい・・・」
『ね、それより、今日の放課後あいてる?』
・・・・・・。
刹那からそんなことを言われていたような、言われてなかったような。
「・・・いいよ!そうと決まればすぐ行こう!わぁー!楽しみだなっ!」
言われてなかったことにしておこう。
「・・・雪、明るすぎて気持ち悪いんだけど・・・」
真咲がドン引きしているのはどうでもいい。
これは、刹那から逃げるチャンスだ。
帰ってしまえばこちらのものだ。
よし・・・!!
「ユキ、何帰ろうとしてるの?」
!!!
「あ、い、いやぁ、せ、刹那、こ、これは、そ、その」
「あ、高橋くん。これから雪となんか食べに行く予定だったの!」
真咲--!よ、余計なことを・・・!
「へえ・・・そうなんだ?」
視線が、怖い。
怖いです、刹那さん。
「あ、そうだ!ご、ごめん真咲!私これから用事があるんだよね!先に帰ってて!ね!」
「え?そうなの?残念~。じゃあまた今度ね!ばいばい~!」
「・・・ばいばーい」
本音を言うと私も帰りたい。
刹那のオーラが怖い。絶対怒ってるよ・・・。
「・・・え、えっとね、いや、忘れてたわけじゃないんだけどね、そのね、えっと・・・。す、すみませんでした」
「・・・刹那」
「え?」
「ユキ、もう一回、刹那って呼んで」
・・・え?
「な、なんで?」
「それで逃げようとしたことは許してあげるから」
許してくれるなら・・・。
というか、名前呼ぶだけで許してくれるのか。
刹那って優しいんだなぁ。
・・・ていうか、刹那の顔が、近い。
名前を呼ぶだけ、それだけなハズなのに
すごく、顔が熱い。
「・・・せ、刹那・・・?」
な、なんか疑問形になってしまった!
恥ずかしい!
「合格」
「ご、合格?」
私は一体何に合格したんだ。
「これをあげる」
差し出されたのは、花だった。
白くて、綺麗な花。
「なんていう花なの?」
「君は知っているはずだよ」
え?
私はこの花の名前を知らないハズ・・・?
・・・ううん、知ってる。
この花の名前は・・・
「ダイヤモンドリリー・・・?」
「正解。誕生日おめでとう、ユキ」
「え、あ、ありがとう・・・って、なんで知ってるの?」
「なんで、って・・・ユキが教えてくれたんじゃないか」
私が・・・教えてあげた・・・の・・・?
一体いつ・・・?
「思い出してほしいのも確かだけど、まだ早いかな。もう少し時が来たらにしよう」
「時が来たらって・・・いつ・・・?」
「ユキ」
ドクン
心臓が、震える。
この感覚、初めてじゃない気がしてならない。
「な、何・・・?」
「僕が君を、ずっと守ってあげる
僕は、君のことが、好きだよ」
え・・・?
す、好き・・・?
好き・・・って言った・・・今・・・
「ふぇぇ!?い、いきなり何!?わ、私たち、会ってまだ初日だよ!?な、何かの間違いだよ!」
「ユキはリアクションが可愛いね」
どうしてこんなに平然としていられるんだこの男は!!
「返事とかはいらないよ。僕が君をすぎだという事実は変わらないんだから」
き、聞いてるこっちが恥ずかしくなるようなセリフを・・・。
「・・・わ、わかった・・・」
「じゃあ、帰ろうか。これからは僕とユキ、毎日一緒に帰れるね」
「え?」
「僕、ユキのマンションの隣に引っ越したんだ。これからもよろしくね」
刹那がうれしそうに私のことを見る。
っていうか、隣!?
色々驚きすぎて声が出なかった。
「・・・よろしくお願いします・・・」
そうして。
この日、私は
不思議な少年、高橋刹那に出会い
急に告白され、
白く美しい花 ダイアモンドリリーを受け取り
誕生日を迎え
私は、17歳になった。
また会う日を楽しみに Ⅱ
今回はわりとサクサクかけてます!その分誤字が多いかもしれないですすみません・・・。