貴女へ
銀色の翼に乗り
世俗の柵を夏の灼熱で焼き切り
僕は,南へ向かう 青空に白い尾を曳きながら
エメラルドグリーンのラグーンを目指す
魂は、肉体を離れ
光のスピードで 憧れのアイランドまで
群青の大海を超えて行く
街は、カラフルに彩られ
聳え立つホテルは、青空を押し上げ
環礁は、エメラルドカラーの海に
白い帯を幾本も並べ
色とりどりの魚達は、
まるで、珊瑚の森の蝶のように舞い
訪れた者を魅了する まるで、貴方のように
月明かりに照らされて 街も海も姿を変え
シルクのベールを纏い 火照った身体を
じっと冷やすかの様に 息を潜め
恋人たちの寝物語に耳を澄ませている
銀の翼よ 今すぐに錘を解放し
愛しい貴方を連れて来い
都会の呪縛から、救い出し
この楽園の風に
その身体を包み込み
怠惰な時の流れに 身を任せ
夜に愛を聞かせたい
貴女へ