彼女のために、哭けますか、あなたは?

 闇が凪ぐ。

 世界は夜に包まれる。

 この孤夜を、また一日、私は過ごしている。

 一人でゲームをする時もあれば、小説を書き、詩を詠み、泣くこともあり、怒ることもあり、もちろん、笑う時もあるし、ただ時が過ぎるのを楽をしてぼーっと待つ時もある。

 全てに共通するのは、そこには『虚しさ』しかないということだろう。

 あなたは生きる意味を求めたことはあるだろうか。

 多くの人が漠然と過ごすこの世には、おそらく生きる意味はないのかもしれない。

 しかし、それは同時に、希望的観点として、生きる意味は、また確かにそこにあるのかもしれない、ということの裏返しでもある。どんなに虚しく思っても、虚無には、確かに思考や物質は存在する。

 毎日、虚無の中、死を見据えながら小説を綴る彼女のために、哭けますか、あなたは?

 ――いいや。彼女のためでなくても、あなたは、一番大切にすべき自分のために、哭けますか?

 世の中には、才能の有無、理不尽、当人たちのエゴ、社会という血のない歯車、そんなものが跋扈している。

 でも、それがあるからこそ、逆手の理論も成り立つのかもしれない。

 かの有名な物理学者は言った、『世界には、相対性があるからこそ、人は観測でき、存在しうる』。

 私はまだ知り得ていないが、暗い側面があるのなら、もしかしたら、明るい側面も、世界の裏には隠れているのかもしれない。

 頑張れ、とは言わない。ただ、エントロピーというものは確実に拡大していくものだ。

 いつか、必ず良くなる。それを信じることだ。

 負けなくても勝たなくてもいい。無理に背伸びをしたり卑下する必要もない。

 だって、それは、この世の最高の、そして最低の、物理法則なのだから。

彼女のために、哭けますか、あなたは?

彼女のために、哭けますか、あなたは?

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2026-10-16

Copyrighted
著作権法内での利用のみを許可します。

Copyrighted