予期せぬ出来事 02

制服にジャージ

 12月にもなると、
 女子高生たちが、制服スカートの下にジャージを履いている姿を見かけるようになる。
 ボクはその着こなしに、ダサいなどと言うつもりはまったく無い。
 今時の流行が何なのかが、チンプンカンプンであるし――。
 しかもボク自身が寒がりで、見た目よりも暖かさを優先させてしまい、格好は二の次……なんてのもありるからである。
 *ちなみに、ダサいの語源は、田舎(いなか)を(だしゃ)と読み、そこから変化したという説があるようです。

 そんなある日、ボクは駅近のショッピングモールを冷やかしていました。
 モールにはマックはあるし、ゼッテリアはあるし、ミスドはあるし、マツキヨはあるし、無印はあるし、100均はあるし、放課後の高校生がたむろする場所が沢山あるのです。
 そうだあと31やKFCもあった。
 そんな高校生たちを、変な意味じゃ無く、見るとはなしに眺めていたら、ボクはとんでもないことに気付いてしまったのです。
 それは……
 カップル、パートナー、ペア、アベック、恋人同士、などと言われる二人組の、男子と一緒に嬉しそうに歩いている女子は……。
 ジャージを履いていない! ということなんです。
 生足なんです。
 ほんとかよ? と思って、ほかの何組かのカップルを見てみても、そのほとんどの女子は生足でした。
 そうなんだ~
 そりゃあやっぱり、彼に可愛く綺麗に見られたいと思うだろうし――。
 それにドキドキしていて胸のあたりが暖かいと、寒さなんてぜんぜん気にならないものなのでしょうね……。

 おしまい

予期せぬ出来事 02

予期せぬ出来事 02

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-12-15

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