蝶々

わたしは春になる、抜けおちた毛のように、滅んだ血族のように、愛のように、退廃のように、そうして、水面をめざす、うつろう、生命が、あふれているから、ことばは、いらないよ、みつめられる、かえってこない、かえってこない、いつまでもゆくから、せつない、蝶々の墓場は、流されてしまい、いまの、わたしの、愛が、わかるかな、浸食している、ずっと、とおいところを、みていた、いつまでも、みていた、しんらい、してほしい、抜けおちた、毛、ふわふわと、わたしの、肉体に、ふれていく、

蝶々

蝶々

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2025-05-28

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