
フリーズ201 散文詩『リバース』
Rebirth Reverse
Rebirth
Reverse
再び生まれること
元いた場所に帰ること
再生のシ、詩、死
再来のシ、私、至
◇Reverse
天国であの子と出会った。天文学的な出逢いだった。その刹那にも永遠は宿る。菩提樹の下で、母胎の中で、僕は悟ろうとしたんだ。
悟って理解した。世界は全て愛だと。全知全能に等しい涅槃は、本当に美しくて、涙が溢れてしまう。
木蓮に金木犀。沙羅双樹の木の下で、宵に酔って生きてみた。願い叶うなら、この抽象的な心根をどうか昇華しておくれ。夢の園の先へ、叶ってくれ。
それが至福なのだとしたら、終末に君としたキスもセックスも幻と散る。それでもあの日の脳のクオリアは残る。世界に記録されてるはず。だから、大丈夫。きっと、あの冬の日にまた戻れる。
Reverse
また戻りたい。帰る場所さえどこかにあったら。それがないとしても、帰る場所を創ればいい。きっと永遠。きっと世界は全て愛だ。不安があるのは世界を色付けるため。黒がないと白が分からないだろう?
光と闇。相対性と相補性。何がいけなかった?
それはこの世に生まれたことですか?
一切皆苦。全ては苦しみに見えますか?
始まりはいつ?
終わりは来るの?
何のために僕ら生まれたの?
何をしたら僕は喜ぶ?
ねぇ、アンパンマン教えてくれよ
どこから来たの?
帰る場所ある?
僕らはどこへと向かうのか
生きる理由
死んでいく意味
自問自答、そして、起死回生
◇Rebirth
第一の神
第一の仏
第二の人生
第二の脳
第三の男
第三の目
散文詩『リバース』
再生の印に旗を掲げて、その翳る永遠にもこの刹那にも、きっと終末はある。歪められた因果律に、時の流れのような透明な膜が入っては、潮のように引いていった。高波はいずれ、遠くの町での目覚めとなるなら、さも当然であるかのような醜態を晒しながら、息絶えることはなかったのに。薬を飲んで、誰に? 僕に?
自殺偏差値は雄弁に語る。自殺した三島由紀夫も、この僕も。嗚呼、それがいけないね。きっと満足してしまったから。あの冬の日に至福に至ってしまったから。これ以上はない幸福だったから。全ては苦しみ。一切皆苦。色即是空に空即是色。何故、あなたは終末の日に泣いていたのですか?
抑留の先にあるものも、失ったものでさえ、遠く及ばない。このフリーズは何だろう。真理を記すんじゃないのか。じゃあ真理を書き残すよ。
全は主
仏は神に至った者
宇宙は光で満ちている
ソフィア(光、識力、祈りの力)が魂
聖なる夜明けに高鳴る心、神様僕らを導いてくれ
神聖、神性も同じ事だった
始まる朝に君らは還る
赦して、探して
神のレゾンデートル
命の意味さえ導いてくれ
解ったこの時に全能の夢を見たら
終末の呼吸、命の息吹
願おう全ての意味を携えて
涅槃に至って夢から覚める
宿命から放たれる万華鏡の美しさよ。私はきっとこの光景を見るために生まれてきたのですね。それくらい美しい色調と音調は、神様になった日に全て思い出すだろう。だから、ルールを破っても、約束を反故にしても、いいんだ。僕が僕のままで成し遂げなくちゃいけないんだ。そこで立ち止まったら負けだぞ。世界を救うんだろ? 自分ひとり救えずに何をする。三島由紀夫のように僕を自殺させないでくれ。
ニーチェのように精神崩壊させないでくれ。助けてくれ。否、僕が救うべきなのは僕自身だった。彼女にそう言われたから。
涅槃色に染まった夕闇、轟いて
季節に死にゆく世界哲学
終末日、全ての罪が赦されて
涅槃に至って神へと還る
心の音、翻っては思いだす
せめて他人を愛せますか?
この世から救うべき人
死ぬ人も
結局同じラカンに還る
フリーズ201 散文詩『リバース』