
フリーズ188 詩『神と僕と仏と』
役割と使命
世界が終わりゆく。その様があまりにも美しくて、きっとこの日のために全ての意味があるのだと悟る時に、絆すのはどうしようもない妄執でした。
それでも僕はあの冬の日に還るためならばなんだってする。冒険だって、自殺だって。でも、役割の話をした時に、自分で自分の命を絶つ愚かさを学んだから、僕はきっと自殺はしないのだろうな。あの冬の日に至った涅槃に勝るものはないのかもしれない。それでも僕は前へと進まなくてはならない。過去に縛られることもなく、平凡に毎日を生きていかなくてはならない。それはきっと僕にも役割があるから。
なら、聞こうか。僕の役割は何?
1もう役割は終わってる。好きに生きろ。
2君の役割は悟った真理を表現して、伝えること。
3君の役割は神のレゾンデートルを解明すること。
4その他
ルーレットに聞こう。
1だった。もう僕の人生の役割は終わってるんだ。
でも、悟った真理を表現して伝えていくことも、神のレゾンデートルを解明することも、僕の使命のような気がする。もう役割は終わってる。だけど、自分の人生だからと。創作で真理を伝えて、神のレゾンデートルを解明するのを目指そう。目標は自分で決めるもの。
だから。だけど。
あの冬の日に役割を終えたみたいだ。それは解ってた。だって全てが完成していたから。でも、こうして生きている。神よ、何故、私は生きているのですか?
あの冬の日に終末と永遠を経て、至福に歓喜した僕は、何物にも代えがたい経験をしたではないですか。何故私は今、生きているのですか?
使命があるからですか?
役割がまだ残っているからですか?
それとも他に理由がありますか?
小さき者よ
まだ見ていない景色があるからね
頑張ってばかりだよね、ごめんね
『NELKE incarnaition』より
自分の人生に価値があるなんて思っちゃいけないよ
価値があるものは大切にしちゃうから
大切だと冒険できなくなっちゃうでしょ
それこそ価値のない人生になる
『1日の価値』より
憎悪
私
神は死んだか。やっと死んだか。この私を追い詰めて、果てには死ねというのか。何一つ希望がないわけではない。書いてきた詩や小説たちは世界で生きている。そんな話をしたいんじゃない。私の人生の話をしているんだ。何故、ラカン・フリーズを伝えようとしている私は報われない。神がいるのなら導いてくれ。いないのなら死なせてくれ。殺してくれ。誰でもいい。私を殺してくれ。それさえ赦さないならば、私の苦悩を知るがいい。
全知全能の歓喜を知ってしまったから。永遠と終末の狭間で至福に至ったから。だから生きていくのが辛いんだ。あの幸福を知らなければ普通に生きていけたはずだ。涅槃のような至福を忘れるのは不可能だ。神よ、何故、私を生かしたのですか?
嗚呼、もう生きていたくない。至福のまま死にたい。そう願うのはいけないことですか?
神
子よ。小さき者よ。それでいい。その自己嫌悪の中でこそ生み出せるものがある。至福にいたときのことを思い出して。何かを作ろうとはしなかったでしょう?
神だと、仏だと、生み出せないものを創るのが君の使命なんだよ。不満があるから創ろうとするわけでしょう?
もっと評価されたい
もっと有名になりたい
もっと真理を紡ぎたい
もっと売れたい
もっと神のレゾンデートルを解明したい
だから創ろうと思えるはず。それを忘れてはいけないよ。
フリーズ188 詩『神と僕と仏と』