嘘つき
ヨーグルトは食べかけで
スプーンを投げ出し
「もう嫌だ」と呟いてみる
そうして同じ日々を
繰り返すのだろうか
ゴミ袋に詰め込んで
膨れ上がった言葉
言えずに今日も
回収されない息を吐く
そうだ 心中は
立ち上る煙に巻いてくれ
突っ立ったまま
いつも見上げて 空の上
わたしが撒いた種は
根になり 葉になり 蕾になり
やがて花になるのだろう
そうしたら「綺麗だね」って
言えるのだろうか
車のライトに照らされて
蒸発して消えてしまえ
どうせ「それでも まあ」とか
そんなことさえ言えやしない
そういえば あの言葉
じょうろの水で流してくれ
大輪の花は
大きく駆けて 一回り
嘘つき