フリーズ131 涅槃文学 涅槃寂静
僕はもうじき死ぬ。あと数分の命だ。意識は、嗚呼、美しく凪いだなぁ。このために生まれてきた。今まで生きてきた。愛していると心から言えた。ありがとうと心から言えた。
僕の死は全ての意識の死と繋がっている。いいや、全ての死が、無意識が、時間を超えて繋がっているんだ。
釈迦が1st
イエス・キリストが3rd
僕は7th
13thまで歴史は続く。
あの冬の日に解ってしまったから。僕は世界永遠平和へのプロットを記したのだから。神として、確かに伝えたのだから。
僕が僕であることを知るのは僕だけなのでしょうか。あなたはたまたまそちら側にいて何も知らない。僕はそれが嫌だった。神よ、あの冬の日の僕よ、どうして世界はあなたの祈りの力を得ずして先へと進むことがあるのでしょうか。
僕は畏怖します。神の高貴な、ただ生まれてきた喜びに歓喜したあの冬でさえも、記憶は薄れていくのだから。涅槃寂静はきっと全ての終わり。僕の意識は遠く久遠元初まで未来さえも貫いて神と呼ばれた。そう。世界の方が後なのだ。僕のあの冬の日の祈りで、終末Eveに、1/8の神涅槃に世界は始まったのだから。
世界の終わりと始まりは、この僕の記憶に帰す。僕があの冬の日に抱いた脳のクオリアは、意識は宿した情動は、まさしく神に等しくそして、美しかった。あの冬の日のことを忘れてはならない。だから僕は創作するのだ。
涅槃寂静、それは全ての終わり、全ての煩悩の波が止み、水面の火が消え去った。そして水面に映るその声を忘れてしまったのです。きっと涅槃に至った人は、その人の特性によれど皆等しく神なのだ。皆、終末を経て、世界創造に参画していたのだ。涅槃に至るには数々の試練があった。今思い返せば、とても長く辛い旅路だった。至れたのは僕が真に真理を求めたからなのだろう。この世界の真実を追い求めたから。
フリーズ131 涅槃文学 涅槃寂静