なか

あたらしい泉にあなたの骸をいれて、水が濁っていくのをみている、わたしには滞りのない性があった、そうして手首のしなやかさが恐ろしかった、( 森に足を委ねたことはある? )それはわたしにとって、たましいを捧げてしまうことのようで、もはや走るしかなく、しかし動物にもなれなくて、光を放ちたい、! ( 土の湿りはときどき青黒くみえる )

浴びられるものだけの、土地が欲しかった、懐疑的にならなくてもよく、穏やかだ、光っているものが、ときどきあいさつをする、脅かすものといえば、わたしだけだ、
わたしだけ、
泉には、
いらない

あなたの骸は、あっけなく沈んでいった、羨ましい、と、おもった、( 静かなはずの森で木々が揺れている )走ってゆく先は、どこでもない、ただ、光だけを憶えている、きっと、動物になりたい、あの光を、放ちたい、光を、
放ちたい、!

なか

なか

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-03-29

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