熱 / フルーツ萬太郎 作


海の(うてな)に一人来る
身体を夏に差し出して
そこで僕は太陽に出会う
地上を焦がす熱を持つ

その太陽には核があった
魂燃やし放たれる熱
人はその熱に夏を忘れて
動きをそろえ熱を広げる

初めの僕はそれを(わら)った
熱があまりに鬱陶しくて
しかしあまりの熱量に
僕にも熱が伝わってきた

熱の力場に狂う人
僕は横から眺めていたが
彼らの放つ熱の強さに
羨ましい、と少し思った

熱 / フルーツ萬太郎 作

熱 / フルーツ萬太郎 作

【夏に見た、もう一つの熱さ。】

  • 小説
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2024-02-14

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