熱 / フルーツ萬太郎 作
海の台に一人来る
身体を夏に差し出して
そこで僕は太陽に出会う
地上を焦がす熱を持つ
その太陽には核があった
魂燃やし放たれる熱
人はその熱に夏を忘れて
動きをそろえ熱を広げる
初めの僕はそれを嗤った
熱があまりに鬱陶しくて
しかしあまりの熱量に
僕にも熱が伝わってきた
熱の力場に狂う人
僕は横から眺めていたが
彼らの放つ熱の強さに
羨ましい、と少し思った
熱 / フルーツ萬太郎 作