悪魔 / フルーツ萬太郎 作
悪魔
今日も悪魔が笑ってる
下品な声を上げながら
僕は彼らから身を離し
頭をかかえて身震わす
今日も悪魔が踊ってる
金切り声を上げながら
こつんと頭に石当たり
恐怖に僕は目を逸らす
門番達は悪魔に飲まれ
僕は悪魔になれはせず
時間と共に心が閉じて
ただ遠くから眺めてた
それから僕は逃げ出した
けれど閉ざした心は凍り
人のすがたが悪魔に見えて
視界塞いで見ないふりした
今やそれらは乗り越えた
ひとつの問いを除いては
自分は一体何だったのか
悪魔でなかった あの日の自分は
悪魔 / フルーツ萬太郎 作