恐れ多い / 墨田拓也 作
先に向けての
思索の中で
ふと考える
わたしの事を
わたしを成すもの
好むもの
得意とするもの
嫌うもの
それら全ての底にある
拭えぬ恐れ
そのものが
わたしをわたし
たらしめる
探求の途に
惹かれるは
未知の物への
恐れ故
備えの不足を
案じるは
既知の物への
恐れ故
如何に月日を
重ねども
万事に怯える
その様は
夜闇を恐れる幼子と
些少の進歩も見られない
恐れ多い / 墨田拓也 作