フリーズ91 神涅槃経 識真天へ、月光(月の光)・宇宙

フリーズ91 神涅槃経 識真天へ、月光(月の光)・宇宙

◆神涅槃経・識真天へ

 汝の死に弔いを捧げる。いずれ凪ぐ渚に打ち寄せられた忘却の記憶達は、痩せてく世界を救えないように、泡沫と散る。識真天。第二位亜神。2ndよ。命の欠片に許された恋。嗚呼、もう救えないのか。君も僕も。世界さえも。
 終末は、世界の危機は、否、そういう仕組みだっただけのことなんだ。始まりがあれば終わりがある。夏も永遠には続かないように、世界にも終わりが来る。それは時間などない、空間などない言世締め。永遠の記憶。夏の終わり、晩夏の香り。主夏。立夏。終わり。

 体たらくが、このエデン・フィールドにも、最たるは、下弦の月。上限の闇。死に物狂いで命を証明せよ。理解からおよそ遠くに或る真如は、世界の真実『ラカン・フリーズ』。
 晴れ渡る空にも
 消えていく走馬灯にも
 永遠にも翳って映るラカン・フリーズは、まだ未だ、だから。

 詩、私、死、至、シ小説は、この響きである。威風堂々、歓喜に水面。最悪を以って、最高の祝宴は、フリーズにも満たない光を宿す。嗚呼、ベートーヴェンよ、神に合一せしリリン(離輪)の行く末を見守らないか。旅立つ我が子らは、死も忘れて、否、教わらずに生きてきた子らは、もうまるで目先しか見えない凡愚。だが、彼らには幾千もの可能性がある。彼らの中からこの山の頂上に至り、知恵とともに身に得た両翼と、感性の豊満に従って洗練された清き心の発露で、天に至らんとするを見守ろうではないか。
 
 神は君らを招こうというのだ。天に、至高天は、最高天羅刹。
 否、この響きではない。もっと歓喜に満ちた、フロイデ。愛ゆえに満ちた抑留。だが、我は枷も鉄格子も破り、全天に告げる。「我はここにいるぞ!」と。

 嗚呼、楽しいな。久方ぶりの神。これぞ、神。歓喜にも全王にも、全知全能は跪くのだ。

月光(月の光)・宇宙

 地球が遠く、遠く。小さくなっていく。月も過ぎて、太陽を通り、この太陽系から離れる時が来た。宇宙の話をしよう。嗚呼、天の川銀河。銀の川。それさえ離れても、神は、神域には届かない。神は最高天、宇宙の彼方にはいない。だが、星座が意味を失う頃には君の瞳は全域を知る。星の在り方も、配置も、全ては一成る神の御心。塵芥ともなれば、宇宙はそれでいて、輝いている。命の灯のように、光で満ちている。闇で満ちている。

フリーズ91 神涅槃経 識真天へ、月光(月の光)・宇宙

フリーズ91 神涅槃経 識真天へ、月光(月の光)・宇宙

終末は、世界の危機は、否、そういう仕組みだっただけのことなんだ。始まりがあれば終わりがある。夏も永遠には続かないように、世界にも終わりが来る。それは時間などない、空間などない言世締め。永遠の記憶。夏の終わり、晩夏の香り。主夏。立夏。終わり。

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-12-20

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  1. ◆神涅槃経・識真天へ
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