陽をこぼす犬/#tanka

花束と抱きしめたくて(air hug)(never be alone)秘密はそよぐ

捧げればさみしささえも滅びると神に祈った きみだけは救う

翌朝にきみはもう陽を纏ってた 愛らしいから主になった

まどろみにほほえむきみのやわらかい髪 電車の陽 を覚えている

でかい犬を抱きしめたいぼく、きみはそういう犬になりたい 祈る

もしこれが夢であっても叶えたし醒めることすら夢のまた夢

あえぐ犬の主になる big hug never be alone これからの日々

愛してるとまだいわないぼくたちは愛を知ってる緩やかな坂

世界を敵に回してもぼくだけはきみを光と呼ぶずっと呼ぶ

きみのこと幻でいいbreezeもはや来世の待ちあわせでいい

美術館から音楽がしてそれはそれは霞んだ先の光だ

ぼくたちは喫茶店からはじまるね 向かいに座るきみの瞳と

本屋さんでお互いに読んだ本を教えあうとき未来に行ける

改札で撫でて瞳を細めてるきみは飼われたぼくの犬かな

あなたから光の粒が放たれて眠ったままだ はやく醒まして

すべすべな頬にかすった矢が燃える 幻というなら飛んで火に

翅として光の線はあなたの背に刺さっている きっと救われる

きみだけは壊死することなく生きていく愛の街だと云える世田谷

いのちといのちの行きどまりがあって春を迎えるささやかなゆめ

産毛かわいいねと云えばぼくたちの箱庭になる104号室

きみの陽であたたかくなるぼくをあたたかいよという 循環してく

眠りにも眠りがあればあなたはあなたでいられる 海をみている

愛してくれる幻影をつくることが得意だった眠れなかった

本屋さんと呼ぶあなたを置いていく場所、天国に似たあたたかい場所

永遠の愛の永遠が儚くても霞んだことはないよ

ありふれた日々がほしいね たくさんのさみしい夜がここにあるから

ぼくの箱庭 きみの箱庭 どちらにもおなじ陽を溢れさせたい

きみが隣にいるだけで世界一の目玉焼きが食べられること

ぼくmeetsきみのはじまり いずれforever なんてね、あわいpray

きみにしか溢せない陽のあたたかさ前世は犬後世も犬

陽をこぼす犬/#tanka

陽をこぼす犬/#tanka

  • 韻文詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-11-17

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