フリーズ72 終末交響詩『ラスノート』欠片
星
星が核の炎とともに崩れていく中を、月に乗って脱出する。
汝は星の如く
神は空よりも高い
最高天に坐します
月という宇宙船は第二のアースへ。
永遠世界の交差点
永遠を待っていました
夢に見たあの娘と交わした約束も
終末日、壊れていく世界で
君のこと、刹那にも永遠にも求めていた
愛ばかりを語って 君の姿を見失うと
焦燥と不安にさいなまれる日々
永遠世界の交差点
レムニスケートの索
僕らは逢えないんだね 幻想なんだね
これからはちゃんと書くよ
病花
終末に咲いた病花たちは、ニヒリズムの逆光の中でも、強く、強く咲き誇る。
永遠の色香も叶うならば、私の主な罪は何だったのでしょうか。
香
死気候、色香、音香、死の香り。アスラらは香りを好む。
否、
こんな話をしたいのではない。
人間は愚かにも、自分らを自分らの力で縛る愚かなサピエンスです。
ですが、香りのように消えていってしまうクオリアも、記憶さえも愛せたら。
「あなた、酷い顔をしているわ」
母はいつも私に言った。アルビノというらしい。
「あなただけ他の人と香りが違うの」
アルビノの私は白いにおいがするという。
いつか、いつか、私も一緒になれるかな。
三年後、その少女は自殺した。
光と闇
光と闇の最終戦争は百年前に終わったはずだった。だが、光が如実に真理を照らすだけではだめだった。
可能性を照らす光はものに影を付ける
光と闇は共依存
だから世界を二つに分けた
光の世界と、闇の世界
光が痛くて眩しくて
暗さで震えて寂しくて
神は1人だ
そっから神の奪い合いだ。
フリーズ72 終末交響詩『ラスノート』欠片