フリーズ68 永遠交響詩『フリージア』第四幕

死と真実

死は涅槃と、せめて他向けに彼岸花。永遠とは何故か。脳の時間管理機能が故障しただけか。否、刹那に全を見る儀式に等しい。
時など簡単に止められる。
大切なのは記憶だ。

と師匠は弟子たちに説いた。

「何故記憶なのですか?」

それは、記憶で覚えている限り過去は変えられないからです。人間の過ちを無くすには、忘却か死です。

もし救えなかった人々のために自決するのも、ただ水面に映る月を眺めるのも、全て同じこと。

真理を見据えてなお、私はこうして生きている。永遠を知り、終末を知り。

「その永遠、終末とはどのようなものなのでしょうか」

簡単な話さ。死ぬ寸前の走馬灯のようなものだよ。君たちに死んだ経験があるかは分からないがね。

釈迦に説法できるのはこの世界で7人しかいない。その一人が我、神代カグラである。

永遠とは時間が止まること。それほどに至福、それほどの多幸感、それほどに愛で満ちていた。

『ああ、生まれてきて良かった! 全ての辛い過去はこの日のためにあったんだ!』

と、天上楽園の乙女へと歌ったものだ。

信じる?
信じない?

いいけどさ
戦争無くならないよ?
早く正しい信仰を広めてくれよ。
そしたら私も行くからさ。

次会うときは終末で

最低な夢を見ていたら、起きて目に映った君の瞳の夜空の色があまりにも美しくて、観音の優しさに触れました。

何故最低な夢を見ていたのですか?

医師は聞いてくる。

わかりません。ですが、幼い頃に母をなくしているからかもしれません。

その他に何か変わりないですか。

変わりあるよ。そりゃ万物流転、全てのものは生まれ変わっているだろう!

私は医師へと激昂した。

針を刺すなよ?
針は十字架だ。
イエスと同じことを俺にもするのか?
何度お前たちはイエスを殺す。

イエス、あいつは俺の子だ。これ以上傷つけるな。拷問もするな。私が神だ。

フリーズ・フリーズ・フリージア

私は神の言葉を紡ぐ
私が神かは分からない
だけど、神の言葉を紡ぐこと
神降ろしが出来るんだ。

神曰く、
人、増えすぎだな。今の百分の一ほどで良い。それでも多いくらいだ。階級制度は万民の幸福のためにあったものなのに、みんな平等と生まれるな。

嗚呼、何故不平等がある。貧困が、格差が

理由は簡単。愛が足りてないんだよ。愛なんて、って言うかもしれないが、永遠を知るのに愛が必要だぞ。その事に気づくのは君たちが何年経ってからだろうね。

そろそろ最初の物語の続きをしようか。

医師ではなく、愛するヘレーネだった。ああ、また私は全知全能の能力でお前を見たのだな。愛しい君よ。だが、今回はお別れに来たんだ。

もうひとつの世界の君よ。さようなら。終末と始まりの間でだけ愛し合おう。また逢う日までのお別れを

次会うときは終末で

4幕構成のソフィアノート

4幕構成のラスノート

悪の名は花

あの冬の日のセックスを
三人称は彼女と彼
いつも三人称
神と子と彼女の三人称

母はいない。

資本主義でも共産主義でもない
何主義だったらみんなは平和になれるかな

政治など、低俗な話をしに来たのではない。もっと高尚な話をしよう。

最後の書『ラスノート』に記される天上の響きを!

失った者

愛する人を失った者
愛する人が自殺した人
愛する人が戦死した人
愛する人が溺死した人
愛する人が餓死した人

皆はそれでも生きねばならぬ
怒りでいいから、悲しみでいいから、生きて、死なないでくれ
頼む。もう人生に期待し待ちくたびれた僕も生きるから!

神をやめる?
否、否
神に誰かがならないと
そしてそれは間違いなく私だ

私が世界を救うのだ。

ルナ・フリーズ

永久冬眠、明日がさ、百年後だって言うけれど
その間に核が地球を恒星にしたらどうする?

いいや冬眠するのは月なんだ。月には核は落ちないだろう。だって人がいないから。

核の炎は古のシリウスさえも焼き滅ぼした。
地球も同じ道に行くのか?

否、否である。
真実の言葉は否、否である。

虚空に火が燈って生まれた世界か

過去と未来
色と空

大丈夫だから
ナイフは要らないよ
もう争わなくていいからさ

辻褄合わせの記憶

忘れる記憶も
いつか地に還る命も
皆、揺らいでいる

不確定性原理のように
量子の揺らぎ
当たり前だろ

でないと過去は変えられないんだよ

だから忘れてもいい。大切な記憶はいつか本当に大切な時に思い出せるから。

橋渡し

彼岸と此岸の間にいる私だからこそ紡げる詩がある!

だから紡げ!
かっこいいかもな
死んだあと有名になるのも

少年、少女よ
紡げ、愛を
紡げ、命の限り

世界永遠平和のために

1まず、自分を平和に幸せに
2その両手で二人救え
3彼らに両手で二人救わせろ
4自決するな

ハローワールド

命の波が止まって、淀んだ記憶の水をアンインストール

僕らの存在はちっぽけだった。しかし、そんなことを言うために僕は生れたんじゃない。

フリージア

コスモス

彼岸花

スターチス

紫陽花

でもね、皆散っていくから、だから。

もう僕、役目終わったのかな。なんて

レムニスケートの輪

夢惑ういのちの数に、菩薩たちでは天使たちでは手が足りない。ならば、仲間を増やすのだ。

仏の悟りを教えよう。
 終末
  永遠
   神愛
    至福
そんな色香を奏でたら、かっこいいのにな

To ソフィアノート

永遠を生きる者よ
そんな奴はいない!

刹那を永遠化させる秘技をフリーズと呼ぶ
それ故にフリージアなのだ

そして、それらの花束をフリージアとしよう!

To ソフィアノート

フリーズ68 永遠交響詩『フリージア』第四幕

フリーズ68 永遠交響詩『フリージア』第四幕

夢惑ういのちの数に、菩薩たちでは天使たちでは手が足りない。ならば、仲間を増やすのだ。仏の悟りを教えよう。永遠交響詩『フリージア』はこれにて閉幕。次は神愛交響詩『ソフィアノート』でまた逢おう。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-10-22

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Copyrighted
  1. 死と真実
  2. 次会うときは終末で
  3. 悪の名は花
  4. 失った者
  5. ルナ・フリーズ
  6. 辻褄合わせの記憶
  7. 橋渡し
  8. 世界永遠平和のために
  9. ハローワールド
  10. レムニスケートの輪
  11. To ソフィアノート