夜の犬

ちいさな体のなかに、きみというものがある、抱きよせられなくて、どうして腕があるのだろう、静まり、あどけなさ、つみぶかさ、陶酔、ぼくのからだの真鍮を、いますぐにでもとりだしたい、ずぶずぶ、快楽? むかし、入水自殺をくわだてたことがある、あわ、わあ、夜をはしる、おいで、「おいで、!」海は、息つぎをして、泳ぐものだよ、でも、吠えなかった、いつか死ぬことを、死ね、と、表現して

夜の犬

夜の犬

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-10-19

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