フリーズ62 散文詩集『病花Ⅱ』(入院中に紡いだ詩)

フリーズ62 散文詩集『病花Ⅱ』(入院中に紡いだ詩)

生・散文詩『病花ー曼珠沙華ー』

ニンブスによる、直截的死生観が君たちの未来を暗くする要因なのならば、汝らは今すぐその信仰をやめよ。唯一無二、正しい信仰があるとしたら、それはラカン・フリーズ。
既存の宗教を全て一緒にしたような、哲学も道徳も全て合わせて、アウフヘーベンさせれば良いでは無いか!
そして、出来た宗教を、思想を、学問を、言葉を、最後に残ったひとつの言葉にまとめたら、それは数字だった。

いろはにをえど散りぬるを

命の眠りに安らかな鳥
きっと今夜は心地よく寝れる。

命、それは乙女に咲く花につられた少年が、歳を経て育んだ命だ。

死、それは万物にやってくるもの、避けられない苦しみ。否、これからは最後くらい楽に死ねるようにしよう。そんな世の中になるべきだ。

不倫に浮気に人身事故だ!
殺人に強盗に交通事故だ!
うるせぇんだよ!

凪いだ水面に映るその顔を、やっと思い出せたのかな。どこにいるの? どこから来たの?

私はこの世界ではエアハート嬢やヘレーネ姫という伴侶を得ました。きっと幾度の人生で何度も愛し愛されて、産み産まれてきました。

ですがあなたは別世界!
もうひとつの裏側の世界!
二つが合う日は、世界の一度の回帰につき一度だけ。


永遠の、無限の交差点
二つの円環は二つの宇宙
正と負
陰と陽

ああ、君に会いたい。
心ごと叫ぶ、会いたいと。

住・散文詩『病花ーフリージアー』

永らえた秘密の使徒たちは、歴史を捏造する為だけのために幾千幾万もの命を奪った。だから、汝らは後悔しているな。違うやり方があったはずだと。三島由紀夫は知っていた。対話こそ平和の始まり。

お互いの違いすら理解し合えないなら、愛し合える訳がない。だが、この願いも祈りも、僕の無限たるソフィアで叶えてしまうんだろうね。

僕ってなんなんだろう。神様なのかな。あの冬の日の後、太宰治に小さき者と呼ばれた。全知全能の神よりも上がいるらしい。それこそ最高天に在す彼の者の名は!

7th

123ではじまる
111で暮らし
321で終わる

この理を理解するかはお前次第だな。まぁ、よい。もう僅かの命かもしれぬから言っておこう。

神は私だよ。
いいや、私は神の化身のようなもの。

神代カグラ(神楽)

神代⇒神に代わって
神楽⇒神を楽しむ

さぁ、住廻向のためにとっておいたタイムカプセルを開ける時だよ。さて、そこには何が入っているか。何も入ってないか。死んだ猫が入ってたりして。

壊・散文詩『病花ーホトケノザー』

ああああああああああああああああ!
Finis!
フィニス!
Finis venit!
最果てのフィニスがやってくる!

もうお終いだ。世界は滅びるんだ。
破滅と破壊。フィニスには二本の槍がある。両方とも破壊の槍。

天地創造の時のラカエ、
世界創造前夜のアデル、
熾天使に属する全ての天使らよ
大天使らよ
智天使よ!

命ずる。このままではこの世界は滅びる。だから、先ずはイリスメークリン、ビエラ、イムルは引き続き私を守ってくれ。

熾天使ラハミエル、ザフキエル、ノクターナー、の3名は次に告げる我が言葉を智天使以下の天使たちに伝えなさい。

『創造主たる神は再び再誕された。神殺しより蘇った。仮の名は「神代カグラ」だが、やはりまだ本当の名前が思い出せない。私が私の名前を思い出すことこそ、やはりこの世界を創った理由であろう。天使らよ、我が名を、または我が名を知る者を探せ』

「主よ。あなたの名前はもうありますよ」

大天使らはそう答えた。

「なんだと、教えてくれ!」
「神の名前は神ですよ」

違うんだ。そうではない。

自身の名前をなぜ思い出せない。神などは、人や天使から付けられた名前だ。自分で決めた名前では無いし、両親から授かった名前でもない。

どうすればいい。

神には2種類ある
仏より上の神か
仏より下の神々か

仏よりも上の神はまだ1人
仏よ、いつまでお前たちは私を待たせる。
いつまで、いつまで
以津真天またせるか。

空・散文詩『病花ーコスモスー』

至ろうとして磔にされたイエスも
数多の仏像を掘られた釈迦も
誰もまだ僕と同じ景色を見ていない!

僕はただあの永遠なる終末に凪いだ渚に映る西陽に染まる下界が、本当に美しかったことを伝えたい。8日ぶりに寝た涅槃が至高の美、幸福であったことを伝えたい。ただそれだけなんだ!

仏らよ
天使らよ
神々(アスラ)らよ

我はここに誕生せし
我は来たれり
その名は神代カグラ
仮の名ではあるが、神を宿すには十分な名前ではないか。加えて神楽ときた。神を楽しませてくれるし、神が楽しむとも取れるな。

愉快愉快。

月村凪沙よ、また逢う日までのお別れを

フリーズ62 散文詩集『病花Ⅱ』(入院中に紡いだ詩)

フリーズ62 散文詩集『病花Ⅱ』(入院中に紡いだ詩)

既存の宗教を全て一緒にしたような、哲学も道徳も全て合わせて、アウフヘーベンさせれば良いでは無いか!

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 青春
  • ホラー
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-10-17

Copyrighted
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  1. 生・散文詩『病花ー曼珠沙華ー』
  2. 住・散文詩『病花ーフリージアー』
  3. 壊・散文詩『病花ーホトケノザー』
  4. 空・散文詩『病花ーコスモスー』