あれやこれや 91〜100
91 取り返しがつかない
息子家族が泊まった。下の孫はもうすぐ1歳だ。来た時に少し人見知りをしたが、慣れてからはにこにこニコニコ。かわいい女の子だ。ママが風呂に入りに行くと(自分はパパとにいちゃんと先に入った)大泣きし、パパが抱いても泣きやまない。
わが息子ながらよく面倒を見る。おむつも変える。便をすればシャワーできれいにする。ごはんも食べさせる。前髪まで結ぶ。
ひと時代前、世のパパはこんなに面倒を見ていたのだろうか? 記憶が呼び覚まされる。泣きやまないと、明日の仕事に差し障る……そう言われて、夜遅くおぶって外を歩いた。おぶわれた娘に話したら、ありえない! と言う。
しかし泣きやまない。集合住宅だから気になる。滅多にないことだから、まあ、いいか。このマンションも、久しく赤ん坊の泣き声を聞かなくなった。たまに犬の鳴き声やお年寄りの叫び声は聞こえるが。
よく3人も育ててきたと思う。泣かれて泣かれて、そのときは大変だった。若かったから夜中に起きるのは辛かった。
泣きやまないで、座布団の上に放り投げたこともあった。友人はマンションの高層階から飛び降りたら楽になれる……と思ったこともあるという。
そういう時期を乗り切れるかは、連れ合いの言葉や態度次第だ。
︎ ︎
自分の想像以上に赤ちゃんは泣く。
赤ちゃんは泣くのが仕事、誰が悪いわけではない。
泣かれてカッとなって激しく揺さぶってしまうと……脳にダメージをきたしてしまい、言語障害、学習障害、歩行困難、失明、死にいたることもある。
車に乗るとすぐに寝てしまうのは、心地よい振動でおかあさんのおなかにいたときのことを思い出しているのかも。
そういえば、どうしようもないとき、夫もついに行動した。夜のドライブ。
どうしても泣きやまないときは、安全な場所に寝かせて、その場を離れる。自分がリラックスしてから戻りましょう。(厚生労働省)
しかし、親思いの子に育つとしよう。親が苦労したのは3年、15年、20年? 子には介護が待っている。3年、15年、20年?
それよりも心配なことがある。
2100年の未来の天気予報を見た。気温上昇により北海道でも稲が育たなくなる。健康障害、生計崩壊、熱波による死亡や病気、食料不足、水資源不足……
好きな作者さんの小説では、環境破壊は思っていたよりも速い。食料は昆虫。人類は飢餓と争乱と暴動……
これが、ジャンルがSFではないのだ。
国民にも環境保護と節約への協力を呼びかけたが、大した成果は出なかった……
こちらはSFホラー小説。
92 ブラウン神父の事件簿
英国ドラマをよく観る。ミステリーとディケンズ原作のドラマとか。ディケンズは読んでいないが面白い。『大いなる遺産』『荒涼館』
読んでみようと思いながら忘れていた。
ミステリーは同じものを繰り返し観ている。今は『ブラウン神父の事件簿』シリーズ。これは1冊だけ取り寄せて読んだが、非常に難解。訳をどうにかしてほしい。全神経集中しないとわけがわからなくなる。検索したらそういう意見は多い。
︎ ︎
もう、とにかく読み辛い。1度読んだだけでは全く頭に入ってこないので、全エピソードを2度ずつ読んだ。日本語訳の海外ミステリーでこの本ほど翻訳がダメと思ったことはない。
ただ原文を”構文ごと”に修飾して訳しただけの感じで、最早小説というよりはただの情報の羅列。同じ会社から新版も出たみたいだが、殆ど変わっておらず相変わらずめちゃくちゃ読み辛いらしい。
人物や場所等の修飾がやたら多いくせに、場所の説明や状況の説明があまりにも少なく、場面が変わろうといつもそのまま区切らず書かれているのでとても混乱しやすい。
これらは原文のせいかもしれないが、それらを補足してこそ現代訳になると思う。
シャーロック・ホームズをビートルズに喩えるとすると 、ブラウン神父を喩えるべきはボブ・ディランではないか。
前者は熱狂的ファンが世界中に凄まじい人数いる。
後者は熱狂的ファンの数は限られるかも知れないが 、仮に本人が意識していなくとも 、根本的なところで影響を受けてしまっているミステリー作家/ロックアーティストの割合が 、前者とは比較にならないくらい高いのではないか。
(海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト)より
ドラマは、いなかの景色が素晴らしい。
登場人物は原作には出てこない者ばかり。噂好きなマッカーシー夫人。素敵な伯爵夫人のレディ・フェリシア。その、お抱え運転手の男、シド。警部補は3人変わった。
必ず出てくるのが庭の植物と紅茶、スコーン。
紅茶は茶葉がカップに残る。残った茶葉で占う。茶漉しを使わない?
スコーンは以前よく作った。まだ認知度の低かった頃。ケンタッキーのビスケットを食べて、いろいろ調べたらスコーンに近いのでは? と思ったのだ。
︎ ︎
ニューヨークタイムズ紙の食コラムによると、名門フォーシーズンズホテルのペーストリーシェフが言うには、
「スコーンとビスケットの違いは、たった小さじ2杯の砂糖と1個の卵だけ」だそう。
英国式のスコーンは、少し甘めで紅茶などと一緒にいただく焼き菓子です。
食べる際にボロボロ細かくなってしまう、ほろりとした生地も特徴。こっくりしたクロテッドクリームやジャムなどをつけて、紅茶といただくと幸せな気分が満喫できます。
割れた部分は「狼の口」と呼ばれ、これがあるのが上手に焼けている証拠だそう。この割れ目から手で水平にふたつに割って食べるのがマナーとされています。
一方、KFCの故郷、ケンタッキー州があるアメリカ南部で作られてきたビスケットは甘みがなく、食事と共にいただくクイックブレッドです。
甘みのないビスケットはフライドチキンのお供としてはもちろん、バターやジャム、はちみつやメープルシロップなどを添えていただいても、グレイビーやハムと一緒に食するにも適しています。
https://search.yahoo.co.jp/amp/s/recipe.rakuten.co.jp/news/article/200/amp/%3Fusqp%3Dmq331AQIKAGwASCAAgM%253D
より引用しました。
クロテッドクリームはバターと生クリームの間のような乳脂肪の高いクリーム。販売されているので頼んでみようか?
カロリーも高い。
ドラマでは料理上手なマッカーシー夫人が、半分に割ってイチゴとクリームをはさんでいる。ドラマの登場人物、どんどん太っていく。実際に食べているのか? 幸せな気分が満喫したあとは、皆太り過ぎ。
ブラウン神父は自転車。伯爵夫人はお抱え運転手付きの車。庶民は歩きかバス。マッカーシー夫人は徒歩で、恵まれない人や病気の人のためにスープを届ける。
時間はゆっくり進む。
小さな村で殺人は毎回起こるが。
93 勉強しなきゃ
漢字わかりますか?
「後妻におさまる」のおさまるは?
「妻の座におさまる」
収まる? 納まる?
これ、検索してもよくわからない。結局ひらがなに。
邸……「大きな邸に広い庭」よく使っていたけど調べたら、
「邸」は単独では使用しません。
「○○邸」のように、「○○さんの家」のような意味で使うか、「邸宅」として、「屋敷」と似たような意味で使います。
屋敷とは庭も含む?
これに対し、「邸宅」は、家、すまいに限定されます。特に、構えが大きくて、りっぱな造りの家を言います。
邸単独では使えない?
あら、大変、直さなきゃ。
間違っているとも思わずに使っている言葉がたくさんあるだろうな。
一応、わかっている言葉でも検索して、使い方がおかしくないか確かめてはいるが。
姉がずっと前に、認知症にならないためのパズルの本を持ってきてくれてたが、さっと見て、簡単そうだからやらなかった。
夫と同じ時間、空間にいることが多くなり、持て余す時間に開いてみたら……
ナンバープレース、これができない。
ねえちゃん、自分で書いた鉛筆を丁寧に消してくれているが……本当にできたのか?
1冊終わる頃には面白くて、携帯で上級問題をやっている。時間がかかる。気を抜くと最後で合わなくなりまた最初から。
ここ最近、投稿するために、中国の歴史やロックグループ、環境破壊まで検索して頭がおかしくなりそう。
学生時代もここまで調べなかった。
ネットなんてなかったし。
脳細胞増えているかしら?
また検索して、脳細胞にはポリフェノール、オメガ3脂肪がいい……
なんてわかっていること。
アマニオイルも飲んでいるし。アマニオイルを毎日小さじ1杯飲めば快便に。快便すぎて、1日おきに。
脳細胞のためには、午後2時以降はコーヒーをカフェイン抜きに。夜には携帯電話を機内モードに。
これは無理だわ。
でも知らなかった。機内モードなんて、飛行機乗る時だけで、無縁の機能だと思っていたが。
この機能で電源を切らずとも、操作ひとつでON・OFFを切り替えられるようになる。「通話」「データ通信」「Wi-Fi」「Bluetooth」などが利用不能になり、電源を切る必要がない。
知らないのは私だけ?
ところで脳細胞を調べていたら、やたらと出てくるシリコンバレーとはなんぞや?
シリコンバレーでIT企業家として長年活躍してきた著者デイヴ・アスプリーの本……
シリコンバレーとは、米カリフォルニア州サンフランシスコ南郊のサンタクララやサンノゼなどを含む地域の通称。
名称は、多数の半導体メーカー(半導体の主原料はケイ素、英: Silicon)が集まっていたこと、および地形(渓谷、英: Valley)に由来する。
調べて、なるほどと思ってもすぐ忘れる。
打ってもダメならやはり書かねば。
投稿された作品を読んでいる。
……結末がわからないものがある。特にホラー。
え? どういうこと?
みなさん、わかるのかしら?
評価がいいから素晴らしい作品なのだろうに、わからないんです。
読み返しても、わからないのは私だけ?
ホラー映画もわからなかった。『CURE』はわからないのが悔しくて何度も観たけど。
大体、タイトルからしてわからない。調べるけど。
94 眠れない
ブティックで働いていた頃、客は60代前後かそれ以上の方が多かった。裕福な、時間を持て余す奥様達が店で時間を潰していく。
「毎日いらっしゃいます」
なんて、入ったばかりの時はびっくりした。ブティックは毎日来るところなのか?
その方達は「眠れない」と悩みを話した。話題のひとつだ。
「アタクシ、入眠剤をいただいてますのよ」
なんて、会話に、「疲れれば眠れるでしょ」と思っていたのだ。
眠れない時期があった。横になっても眠れない。眠り方を忘れた……眠るのってどうやるんだっけ? みたいな。
夫は、眠っていないと思っても寝てるよ、と言った。よく寝てたよ、と。
でも、自分では眠れていない。長時間勤務の立ち仕事なのに、現金やカードを扱うのに常に頭がぼーっとしている。
考えた。理由は? 検索した。
薬の副作用とか? その頃医者にもらっていた鼻炎薬を調べてみたら……普通、鼻炎薬は眠くなるものだが、コメントに何人かいた。
眠れない。眠れない……
医者に言って薬を変えてもらうと眠れるように。あれ、続けていたらどうなっていただろう?
今は薬は飲んでいない。時々頭痛薬を飲むくらい。あとキャベジン。私の年では珍しいのではないだろうか? 皆、降圧剤を服用したり持病がある。
姉とのランチのあとの薬の多さに驚いた。目薬も。持病の潰瘍性大腸炎に、めまいの薬。サプリメントを飲むなら、おいしいものを食べたほうがいいと言ってた人なのに。薬のせいか味覚がおかしいという。
夫の薬代も毎月高額だ。こちらはなにを食べてもおいしくて、食欲を抑えられない。痩せなければならないのに。塩分制限があるのに、辛いものやカップラーメンを食べたがる。
夜1時間歩いてる。そうしなければ眠れる気がしない。夜になってしまうのは、日焼けしたくないからだが。(あと、なるべく夫といたくないから……)
声はかける。でも、休肝日でも行かない。時々ついてこられると速度が遅くてイライラする。以前は私が合わせて小走りになっていたのに。
30分歩いたあたりから感じる。脂肪が燃焼されていく……でも、1時間以上はなかなか歩けない。
アロマキャンドルを付けてのんびり湯船に浸かる。お嫁が母の日にプレゼントしてくれた。泊まりに来た時には、ゆっくり浸からせてあげる。1歳の子がいるので普段はとても無理だから。
そして眠りにはつくが最初の目覚めは12時前。そして眠れなくなる。眠りかたを忘れた〜
眠っても2時間以内に目を覚ます。明け方までそんなことをして、諦めて執筆したりランキングを見たり。
いつも3時過ぎには目が覚めている。そして、おなかがすいているのだ。でも、起きて食べたくはない。そうしていると隣の認知症の旦那の声が聞こえてくる。あああーっ、と大あくびの声。時たま、娘との大喧嘩。
気にしないで眠りたい。8時間くらい眠りたいが、年寄りに、もうそのエネルギーはないそうだ。
時々、昼寝をして、驚くほど眠ることがある。帳尻合わせ?
月に1度か2度。時間を見たら6時半?? 朝? 大変、寝坊した……
ああ、眠れたあ。大変。夫が帰ってきちゃう。
でも、2時間以上眠れた! 頭がスッキリ。この状態は滅多にない。脳が指示する。頭の中で献立が組み立てられる。洗濯物を放り込む。30分で何品か作り洗濯物も畳む。
いつもの30分と大違い。
95 痛いよ
腰を痛めた。仕事で痛めた。
『痛いよ。痛いよ。痛いよ』
歌詞の半分以上が『痛いよ』は誰のなんという歌でしょう?
私の好きな佐藤隆さんの『痛いよ』という歌です。
久しぶりの腰痛。軽いものはちょくちょくだけど、今回は重そう。
去年の始めに入浴介助の時にやらかした、95歳になる、背のとても小さい女性。湯船に入るときはまたいで入るが、出られない。出る意味も、もはやわかっていない。ひどく時間がかかったがなんとか立たせて出した。腰を痛めたかも? と思ったが平気だった。翌々日までは。
歳を取るとこうなのだろうか? 痛みがすぐに現れない。整骨院に通い、結局良くなるまでに2ヶ月かかった。ロキソニンを飲んで、たいして休みもせずに仕事に行った。前述の方の入浴はもう無理だからとはずしてもらったが。
何度目かの軽い腰痛が去り、変わって訪れた五十肩が、誰かに言われた通り、右が良くなれば今度は左。それでも週3日3時間の仕事と週1度のゴルフのレッスン。
娘の引っ越しもあり、家一軒分を業者に頼まず駆り出された。孫の子守と簡単な掃除をお願いされた筈が、動いた動いた。階段を何往復? フローリングを腕が痛くなるほど拭いた。
次の日、入浴介助はなぜか例の小柄の方。断ればよかったのに相変わらずの人手不足。無理してやって腰痛めてついに休んだ。
明け方から痛くて起きたら脂汗が出てきて無理、血圧は100を下回り布団に逆戻り。夫には帰り買い物を頼んだ。
2度目のロキソニンで夕方になった。腰痛は安静にしていてもダメなのだ。しかしロキソニン3度目飲んでも大丈夫か? 飲まないと今夜は辛い。
明日は夫に整形まで送ってもらおう。経験から時期が来なければ治らないとわかっている。一応レントゲンを取り、ロキソニンと湿布をもらうだけだと思うが。
いよいよ仕事も介護は無理か? 少し休んで周辺業務にしてもらおうか。こんな年寄り、いなければなんとかなるのだ。言いたくないけど、最低賃金が上ったから周辺業務との差がたったの8円に縮まった。なおかつ自分は最高齢。
夫からメールがきて買い物を頼んだ。もうすぐ退職で仕事を減らした夫は時間が有り余るようだ。休みには洗濯もするようになった。妻よりきれいに畳む。家事をやらなくてもいいのはありがたい。子どもも犬も猫もいない生活。いつまで元気でいられるか?
腰が痛い。足も痛い。左向きに寝ていないと立っても座っても痛い。
なにもできない。座るのが辛いから食べるのも辛い。バナナと牛乳とロキソニン。ロキソニンも効かなくなってきた。
家事をしなくていいから助かる。夫はゴルフだ。昨日たくさん食料を買い込んできてくれた。でも、なにもできないのだ。何日無駄にするのだろう? せめて食べるの控えてダイエットでもしようか?
仕事もとりあえず1週間様子をみます、と電話した。もう、辞めてもいいか、とも思う。でも、もうすぐ夫は完全な年金生活だから、お金は欲しい。考える時間はたくさんある。
こんな立場だから気楽だけれど、施設で腰を痛めて介護職を離れていった方たちはどうしているだろう? ひとり暮らしや妻子のいる男性も。
思えば夫も腰痛持ちだった。現場作業の時は朝、電話機まで這いずって会社に連絡したことも。
夜中に何度も風呂に浸かっていたことも。そのたび、こちらは生活力がないので不安に駆られた。
こんなに痛くて仕事行ったの? と聞いたら当たり前、と返ってきた。トイレに行ければまだ大丈夫だと。
夫は今でも月に1度整体に行っている。いろいろ試して、そこなら間違いないそうだ。
息子は鍼にも通っていた。1度行くと五千円。鍼治療で小遣いが消える。痛み止めを常用し、ストレッチをしている。まだまだ子供が小さいのだ。
私の通っていた整骨院は繁盛していて、1回千円で丁寧にやってくれるのだが……
健保から届いた施術確認の内容がかなり違うので不信感が。正直に書いて出してよいのか迷う。
左向きに寝ながらiPadで、1度観たブラウン神父を観ている。この英国ドラマからはエッセイや小説にかなりのヒントをいただいた。
うとうとしていたら、夫がリンゴと柿をむいて小さく切って持ってきてくれた。ああ、我慢したけど別れなくてよかった。
でも、5日も寝てたら怒り出すかな?
つくづく日頃の、どこも痛くない、ということがどんなに幸せかわかる。
96 父と娘
川沿いをウォーキングしていたら、向こうから自転車が2台やってきた。押しながら前後で歩いている。女性の方は隣に住んでいながら対面して話したことはない。黒い服にサングラス。ひとりだったら誰かはわからなかっただろう。後ろの小柄なお年寄りは紛れもなく隣の認知症の……夜中に大声で父子喧嘩したり、ベランダで叫んでいたじいさん。
そういえば、ここのところ、声を聞いていないね、なんて夫と話していた。夜中の喧嘩もなくなった。少し前、1度あったがすぐに収まった、それくらいはどこでもやるだろう。
ベランダで叫ぶこともなくなった。まさか、施設に入ったとか? 薬を処方されてる? まさか、死んでるんじゃ……なんてことも考えていた。そして、そんなことも忘れていた。
2ヶ月くらい前、まだ喧嘩の絶えなかった頃、マンションの下でふたりを見かけた。2台の自転車で出かけるところだった。じいさんは大きなビニール袋に空き缶をたくさん詰めたものをハンドルに下げていた。これは元気な頃のじいさんの日課だった。集めた空き缶を部屋に持ち込み、エレベーターを汚し苦情もあったろう。おそらく、出かけて帰り道がわからなくなったこともあるのだろう。夜中の喧嘩で娘が怒鳴っていた。
「もう、迎えに行かないからね」
まさか? それが、娘も付き合って空き缶集めか? はたまた、現金引き換え場所まで付き合うつもりか? 往復で1時間以上かかるはず。
夫が言った。娘が考えを変えて、寄り添うようになったのだ、と。まさか? この暑い中、80歳のじいさんと、50歳くらいの娘さんが……?
私たちも出かけ、戻ったとき、偶然親子も自転車で帰ってきていた。
この間は、ゴミを捨てて戻ると、デイケアの女性が隣の玄関の前にいた。私はドアのミラーから覗いて確かめた。じいさんは嫌がらずにデイケアに行った。
穏やかになったようだ。娘が寄り添って? 誰かに助言されたか、本でも読んだか? 感情に任せて、夜中に隣のことなどお構いなしに怒鳴っていた娘が?
穏やかなのは、夜中静かなのは助かる。娘さんに敬意を表したい。
職場の施設のスタッフにもいる。真面目で、融通が効かない。
「食べないんですか? 片付けちゃいますよ。〇〇さんのために言ってるんですよ。薬、飲んでください」
甲高い声で、また始まったと思ってしまう。杓子定規で、認知症のお年寄りに喧嘩腰になっていく。最後に〇〇さんは言い放つ。
「うるさい!」
どうか、隣の平和が続くようにと願う。隣にいながらなにもできないが。してやりたいとは思うのだが。娘さんが避けている……なんて思っていた。しかし、思っていた娘さんのイメージとは違うようだ。
父親の介護、いつ終わるともわからない。地獄のような日々が続く……なんて勝手に思っていた。こんなに良い方向に変われるものなのか?
97 明け方の徒然に
天気予報で使われている用語は、時間がきっちり定義づけされている。
たとえば、「夜遅く」は21時~24時、
「未明」は0時~3時、
「明け方」は3時~6時、
「朝」は6時~9時を指している。
「明け方」という言葉だけを聞くと、すでに空が明るくなっているイメージを思い浮かべる人もいるだろう。
https://quizjapan.com/2018/05/14/post-3931/
高橋真梨子の『連絡』という歌の歌詞に
『時計は夜中の4時を指す そんな毎日で』
というのがある。とても好きな歌なのだが聴くといつも違和感が。
つれづれ - 学研全訳古語辞典
名詞①手持ちぶさた。退屈であること。所在なさ。出典宇治拾遺 一・一二
「僧たち、宵のつれづれに」[訳] (比叡山の坊さんたちは、宵の手持ちぶさた(の時)に)
宇治拾遺物語の有名な説話、『児のそら寝に』は宵に、ぼた餅を作る話。
面白そう。
宵は、日暮れから夜中までの間。
今は午前4時前、隣の部屋の認知症の男性が大声を出している。しばらく静かだったのに。おかげで目が覚めた。
昨日、仕事仲間からメールがきた。入院していた女性が亡くなった。ここのところ立て続けに亡くなっている。6年の付き合いの癖のある方だったが、もう部屋は片されて、すぐに新しい方が入居してくるのだろう。
別の女性は100歳を過ぎ大腿骨を骨折し手術したが戻ってきた。移乗のとき、痛い痛いと言っていたが、相当痛かったのだろうか?
以前、義兄がテレビを移動しただけで疲労骨折をし、情けない……なんて思ったけど、相当痛かったのだろうな。
腰痛4日目。痛みはほぼ変わらない。痛い場所がはっきりしてきた。左側の腰と腿とふくらはぎ。これは、坐骨神経痛? ロキソニンは昨日の夜、丸一日ぶりで飲んだがほとんど効いてないと思う。
大きな病院へ行くべきか? 長時間待つのは無理だ。座るのも立つのも痛い。夫は脳が関係しているから、痛くないと思えば痛くないのだと言う……
確かに、腰痛がまだ残る時にゴルフに行ったことがある。絶対無理だからカートに乗っているつもりだったが、18ホールやり終えた。歩き通した。ぜんぜん痛くなかった。帰ったらほぼ腰痛は消えていた。4日間も寝込んでいるなんて初めてだ。
夫がチルドルームに入れておいたマグロが賞味期限を1日過ぎていた。やめるよう言ったが食べた。1日くらい大丈夫だと。
……大丈夫なようだ。昨日夫が刻んだキャベツとにんじんの荒切りのサラダはおいしかった。野菜はスライサーより包丁で切るほうがおいしいのだという。久しぶりに歯ごたえのある野菜を食べた。しかし……
便秘だ。トイレに長時間座れない……
そういえば、ずいぶん前の白子の思い出。私は白子は食べられない。食わず嫌いだ。うなぎ、アナゴ、太刀魚も。見た目で拒否する。夫は大好きだ。白子の新鮮なのがあれば、さっと湯通しして出すと喜ぶ。結構高価だ。
ある時、なぜか忘れていた。チルドルームに入ったまま3日……くらい。定かではない。
処分するのは勿体無いので、いつもより火を通して出した。夫は疑うことなく食べた。眠りにつくまで変わりなかった。私とは襖1枚隔てて寝ている。夜中、夫はトイレに篭った。もしかしたら? 私は寝たふりをした。布団をかぶって携帯で調べた。食中毒、白子……
夫は何度かトイレに篭った。
出すもの出せば大丈夫。検索して安堵したが、こっちも眠れない。
あとで謝ったが、いまだに言われる。だから、もったいなくても処分するのに。
胃も腰も若い時とは違うのだ。先日の引っ越しで、娘が連日頑張っていたので、幼い子がいるのだから、子ども優先で少しずつ片しなさい、と言ってきた。
ぎっくり腰にでもなったら、私が面倒みに行かなきゃならないのだから……
なんて思っていたが。
問題は、私が子どもの心配をするのに、子は親の心配をしない。親はいつまでも丈夫でいると思っていることだ。まさか、こんなになっているとは思うまい。
長女に言えば来てくれるだろうか? 子どもは幼稚園。買い物して、洗濯して、夕飯作れ……
言わないけど。
98 脳の勘違い
腰椎が、レントゲンを見ても、言われてみなければわからないが、ほんの少し出ている。それが神経に当たって、この激痛……
温めて、電気治療。湿布に痛み止め。いつもと違うのは、痛み止めの飲み薬の副作用が意識消失……?
期待して飲んでも効きはしない。
痛い。痛い。もう。この痛みはなくならないのだ。
痛みとともに生きていかなければ……
お産の痛みよりはマシだが……お産なら終わっている。
それが、孫の姉妹がさつまいも掘りに行ってきたから、とたくさん芋を届けにきた。
来ればうるさい。ドタドタ布団にジャンプ。ピアノを弾きまくり喧嘩をする。喋り続ける。
しかしその間、痛くないのはなぜだ? 痛いのはもしや、気のせいか?
孫が帰ったら、また痛い。
歩けない、眠れない、仕事に行けない。
ロキソニン、神経障害性疼痛治療剤。
湿布に、ゴムのチューブを巻いて腰回し。しかし、目に見える効果はない。
時間だけはあるから調べた。
本来人間の体は、なんらかの痛みが発生したら、コントロールタワーである脳がそれを感知し、正常に戻すための自然治癒力を発揮させるようにできている。
ところが慢性症状があまりに長引いて常態化してしまったために、コントロールタワーが異常な状態を正常であると勘違いしていたのではないか。
勘違いした脳が、常態化した異常こそ正常状態であると思いこんでしまい、それを保とうとしているのではないか……
腰痛が完全に治ったことはない、軽くはなっても、介護のたびに痛めたかも? と心配していた。
もしかしたら……引っ越しの手伝い、仕事にゴルフ。忙しく過ごした。
ウォーキングに、ダンベル体操、フラフープ、娘に聞いてヒップアップ体操もやっていた。調子良かったのだ。
もしかしたら、腰の具合は最高に良くなっていたのでは? そんな久しぶりの状態をバカな脳が勘違いして、異常だと思ってしまっているのかも?
なんて、思い込んでみる。痛いのは脳の勘違い、勘違い。
腰痛に悩んでいる人は全国で1千万人、だそうだ。
椎間板ヘルニアなど、物理的、具体的な障害を伴う腰痛は、そのうち30%。
のこり70%の腰痛患者は、理由のはっきりしないまま、それが慢性化しているそうである。
ドクターショッピングを繰り返している人、
仕事にも出られない深刻な悩みを抱えた人、
時間とお金を使って入口にもたどり着けない人……
明らかに椎間板ヘルニアでも、痛みを感じない人もいるそうだ。
https://www.amazon.co.jp/腰痛は脳の勘違いだった―痛みのループからの脱出-戸澤-洋二/dp/4938939479#productDescription_secondary_view_div_1668227636994を参考にしました。
少し歩いたほうがいいらしい。
『脳の勘違い』
呪文を唱えながら、ゆっくり歩いた。
痛い、痛い。
仕事はあと1週間様子をみると、電話した。
どうなることやら?
99 著作権とか引用とか
音楽のブログを読んでいると、マックロケで非公開になっている動画が多い。投稿者も時間が経てば見直しもしなくなるのだろうか?
拡散すれば再生数が増えるからYouTuberは有難いだろうに。削除されてマックロケになる動画は著作権侵害とか、違法の動画なのか?
歌手の佐藤隆さんのホームページを読んだら、個人が載せているもので、あまりにひどい音源のものは削除依頼をしているようだ。しかし削除されてもまたしばらくすれば載っている、と。
また、「この動画は転載禁止」というものもある。佐藤さんの顔が写っているのは転載禁止。でも、共有、コピーはできる。掲載したらバレるのだろうか? お咎めは?
文章を引用、転載するのもややこしい。何度も調べたがよくわからない。
︎
音楽のエッセイでよく和訳を探すのだが、
もしも、この和訳をどこかで使いたいって思ってくれる方がいらっしゃるなら大歓迎なのですが一緒にサイトのリンクも引用として記載をお願いしたいです! よろしくおねがいします!
なんていうのもある。
アドレスを貼り付けておけばOKなのか?
︎
他人の文章を引用する際に注意すべきこと。
・自分の文章と明確に区別する。
引用部分がわかるように区別し、出典を明記する。はっきりと区別されていないと、最悪の場合「盗用」とみなされる可能性もある。
・主従関係が存在すること
文章全体を見た際に、自分の文章よりも引用元の方の割合が多くてはダメ。引用元の文章の割合が多いと、転載とみなされる可能性がある。自分が書いた文章に対して、引用の文章が「従」となるように。
・引用元が改変されていないこと
引用する場合は、表現を改変してはならない。改変を行うと不正引用とみなされる。
表現を変えたい場合は「参考」または「参照」として使用し、自分の言葉でまとめ直す。
「転載」とは、引用と同じように他人の文章や説、事例などを自分の文章の中に引いて紹介することを指す。ただし引用と異なる点は「自分の文章の割合が少ない」点。
自分が書いた文章に対して、転載の文章が「主」となっている場合は転載となるので注意する。
・著作者の許諾があること
転載をする場合は、基本的に著作者の許諾が必要となる。
注意すべきは、無断引用はよいが無断転載はだめだということ。引用についてのみ基本的には無断で使用することができる。
https://ferret-plus.com/8057
を参考にしました。
ただし、
ウィキペディアは「フリー百科事典」ということを掲げており、掲載している文章や画像等は、各種表示等を条件に自由に二次利用することができる。
100 だれが断を下す
少し前、ニュースになり、かなり憤慨したが、自分の周りでは誰も何も言わなかった。
記事を抜粋しておいたが、政治、宗教、皇室のことは投稿しないほうがいいという。
先日、NHKで特集をやっていたので……
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コロナ禍、胎児遺棄のニュースを何度か耳にした。こういうニュースが出ると、遺棄した女性ばかりを責めるが、彼女たちに、緊急避妊薬や中絶がもっとアプローチしやすい世の中だったら、違った結果になったのでは?
さらに、養子縁組制度や里親制度が、あるいは赤ちゃんポストの制度など、女性自身が選択肢と選択権がもっとある社会に、と思う。
キリスト教原理主義では、人生は受精卵から始まるという考え方のため、中絶は殺人のように捉えられる。
敬虔なキリスト教徒が多い保守派の地域では、合法的に認められている中絶を違法にしようという運動は以前からとても盛んだった。
レイプの被害者であっても、近親姦の被害者の少女であっても、生まれることはできないだろう胎児異常が見つかった場合にも、中絶を選択することは女性に許されない。
キリスト教原理主義の考え方によれば、レイプされて授かった命は、レイピストである父親の罪であり、まだ生まれていない子どもの罪ではないから、その子ども(受精卵)は殺されるべきではない、よって中絶は違法であるということになるのだ。
これらの問題点は、当事者である女性の健康や意思というものが全く考慮されていないところにある。宗教には絶対の力があり、女性の健康や意思をないがしろにすることもいとわないのか?
https://gendai.media/articles/-/97320?page=4
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長男が幼稚園の時、3人の子のママが、辛そうに迎えに来ていた。どうしたの? と聞くと、
「中絶してきたんだっ」
言葉も乱暴だった。聞かなければよかった。言わなければいいのに。なぜそんなに親しくもない者に喋るのか?
妊娠初期、風疹にかかった知り合いはふたり目の子供を諦めた。
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妊娠中(とくに妊娠初期、妊娠20週まで)の女性が風疹にかかると、お腹のなかの赤ちゃんも風疹ウイルスに感染し、難聴や白内障、心臓の疾患、発達の遅れなどの障害のある赤ちゃんがうまれる可能性があります。そうした病気や障害を先天性風疹症候群といいます。
https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/135/
私の3人目の娘は理由はわからないが重い心臓病で産まれた。
わかっていたとしたら……?
海外ドラマをよく観た。無知だったから、不思議だったのはティーンの妊娠で、中絶の選択肢がないこと……
教会に通う母親は、娘が妊娠したことを隠し通すために、おなかに巻物をして周囲を誤魔化し、自分の子として育てようとする。
インターンの若い女性の病院に、ティーンのときに産んで里子に出した娘が入院してきた。娘は急性骨髄性白血病に冒され骨髄移植が必要で、里親が訪ねてくる……
『ブラウン神父』では、堕胎は罪だから、堕胎する者たちを殺してしまう……
『ルイス警部』では、産まれた男女の双子は別々の家庭に引き取られたのに、なんの因果か惹かれあって結婚、何度も流産してしまうので検査したら兄妹だった、と。
おまけに妹の方はお父さん側の眠れない病を受け継いでしまい、重なった苦しみが復讐を決意させた。ふたりは自分たちを産んで里子に出した無責任な母親に復讐する。父親は難病で亡くなっていた。
中国の歴史ドラマでは皇帝の寵愛を競い、懐妊した側室は皆流産してしまう。
紅花、麝香、それらで簡単に流産してしまうのはドラマだからなのか?
貧困の娘は、おなかを蹴られ胎児を殺されたり……
『お金のある人はいい。中絶が許されているところへ行けばいいのだから』
《母にはじまり無限の人を並べたる不滅の列にわたしはをらず》 春日井健
《水滴よりつめたく断を下すものわれの背筋に添ひて流れつ》 齋藤史
少し前に投稿しようとしてためらっていた。かなり勇気がいった。
銀座を何メートルか裸で歩くくらいの勇気。
「ものを書くっていうのは、銀座一丁目から八丁目までを裸で歩くぐらいの気持ちでやらないと、いいものは書けないのよ」
(山口百恵さんが、執筆をしていたころにかけられた瀬戸内寂聴さんからの言葉)
『誰が断を下す』は友川カズキさんの『トドを殺すな』という歌のタイトル。
金八先生の第1シリーズで「かきむしられるような歌だねえ」と呟いたのを覚えていた。知る人ぞ知るすごい歌手だ。頭の中で鳴っている。
終わりの短歌は『誰が断を下す』を検索すると出てきた。短歌など読まないし、作者も知らない。意味することは違うのかもしれないが、自分が感じたとおりでよいのだとか……
しかし、これからは産まない選択肢をする人が増えるのだろう。施設の若いスタッフは言う。
「私、結婚しませんから……子供いらないですから。今の世の中で育てていく自信ありませんから」
ゼリー食で生かされている人を見て、ああはなりたくない、長生きしたくない、70歳くらいで死にたい……と。
あれやこれや 91〜100