一党の夜
よるの液体にふれた、肌、濡れる、世をすてる、忌みのさみしいところだけ、くるむ湿度で、やっと生きている、あなたとか、あのひととか、わたしではないひとが、尊くてたまらなかった、あたたかくなっていくなら、それでいい、でも、孤独であれば、もっといい
(やはん)
ふりかえると、もうだれもいないみたいに、わたしは呟いてしまう、余暇ね、そんなふうに、さみしいのが、ほんとうの肌みたいに、寄りそっている。そしてこそこそと、脱ぎさろうとしている、よるに侵食されて、獣がでてくるよ! わたしだね、わたしは、わたしでないひとが、好きで、だから、これは、わたしだ
(やはん)
よぶ、よびさます、よびたいひとを、
だれ? 孤独であれば、もっといいよ
孤独であれば、
孤独であれば、ね、
一党の夜