夜の噺

外灯を消していくひとが、愛おしい、おまえだけの灯りが、ぼくには見える、ひとつめ。獣の眼光が、いつまでも宿っている、失墜。火花がちったら、もし、そうであれば、ぼくとおまえの生命は、双子だよ。

唇をふたつに裂くとき、ひとは、魂をかんがえないな、肉体ばかりを愛でて、ぼくたちは、餌食になれる、(枯腸のゆめを知りえない、古城に薔薇を植えた、御伽噺にしている、自堕落さ、)肌を隠しても、獣は獣であること、亡骸をやっと抱くように、その亡骸は、おまえのように。

死骸には絶望的な愛が生えている。

夜の噺

夜の噺

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2023-01-25

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