夜の噺
外灯を消していくひとが、愛おしい、おまえだけの灯りが、ぼくには見える、ひとつめ。獣の眼光が、いつまでも宿っている、失墜。火花がちったら、もし、そうであれば、ぼくとおまえの生命は、双子だよ。
唇をふたつに裂くとき、ひとは、魂をかんがえないな、肉体ばかりを愛でて、ぼくたちは、餌食になれる、(枯腸のゆめを知りえない、古城に薔薇を植えた、御伽噺にしている、自堕落さ、)肌を隠しても、獣は獣であること、亡骸をやっと抱くように、その亡骸は、おまえのように。
死骸には絶望的な愛が生えている。
夜の噺