フリーズ99 シ小説『すべての終わりが玖を迎える時』
プロローグ
眠りに晴れて、君を待つ。
最たるものはこの恋で。
「会いたいのに、ヘレーネ」
ミュウ・クリスタルはシリウスの姫。
確か、核の炎で滅んだ星。
悪魔が支配したんだ。
泣いても、君は来ないから。
電車はあの街についた。
「待ってて、アデル」
牢に囚われていた。
救世主を待っていた。
君はいない。ここにいない。
そちら側にいて、世界の反対側にいて、物理的には無限遠で、それでも近くで繋がっている。
「月はシリウスなんだよ」
そう語ったのは彼の生まれ変わり。
髭が特徴のある中年だった。
彼と廊下を歩いているときに女神を見た。
ソフィアの名を冠した女神だった。
願いは永久、来たりて。
「ああ、君なんだね」
笑って吐いた。
エピローグ
愚問にしては、さも当然であるかのような醜態に、慌て始めた終焉の色たちは、歓喜の雨にも茹だる花々の如く散っていった。
何を言うのか。
この最たるは、天空の夢。
青天の霹靂
霹靂にも賄う贖罪よ。
フリーズ99 シ小説『すべての終わりが玖を迎える時』