【10月】短歌deリベンジ
万田 竜人(まんだ りゅうじん)
はじめに
「短歌deリベンジ」と銘打って、かつてインターネット上に投稿を
重ねてきた俳句集を紐解き、俳句の五七五に七七調のこころを加える
ことで短歌風にアレンジして楽しむことにしたい。
合わせて、当時の同人衆三人組としての万田竜人・シェフさん及び
雪絵さんの俳句も懐かしく思い出して鑑賞を重ねてみたい。
(このコーナーでは月別歳時記に習って10月特集として監修)
ナンバーリングしたものがリベンジ短歌
【1998年】
001 秋茄子や頬に広がる旬の味手料理の妙これに尽きると
002 待宵は月の明かりと夕焼けと傍らの犬うつらうつらと
003 十五夜は雲間の月となりにけり雲の向こうに脳裏で描く
004 酔芙蓉台風の朝紅と白カオスの世界花も混乱
005 運動会スピーカーの声天高く高揚感の高ぶるままに
006 時の鐘に明かりが灯り秋惜しむ藷菓子の店レジに行列
007 行秋の小江戸の町に人の波すれすれかわす市街地のバス
008 薩摩藷大きさ揃え店先に店主の笑顔お客も笑顔
最近の三年間「同人誌」に会員として投稿して「選」に入った
十月頃を題材にした俳句を集めてみた。
まだ未熟で、いかにフォーカシングしていくか修行中、俳句の
難しさを痛感している。
万田竜人 98/10/03 20:25
009 にごりざけろれつまわらぬ二三人腰に来たのか立ち上がれずに
010 新米や魚沼産を買ふて炊く新潟の旅魚沼ファンに
011 新米や二合半炊きまだ余る冷えても旨し魚沼の産
012 秋霖や行ったり来たりアンブレラ昔観た映画シーン鮮明に
013 銀杏の枝にたわわに・黄金色・日差し透かして夢心地する
014 通草の実スプーンでしゃくる白果肉物珍しく味わい深く
015 酔芙蓉紅を帯びしが恋模様夕べの歌を口ずさむよう
016 虹鱒や宙に躍りて竿しなる初めての釣りどうしたものか
017 カヌー削る木の香りする秋の山眼下を観れば湖上に舟が
十月のはじめの月はおとこ顔
栃の木やわれ一番に初黄葉
十並び体育の日に登山会
秋は俳句に向いた季節なのでしょうか?
寄せ書き風に俳句を並べてみました。
万田竜人 98/10/11 10:49
松茸を丸かじり新米を食む
季重なりを超えて食の楽しみ
万田竜人 98/10/17 07:25
(続 く)
【10月】短歌deリベンジ