シ小説『泡沫の夢』

月村凪沙

空場からソフィアへ

再出発の時だ。この輪廻の輪より外れるのだ。輪廻は理念の園から解き放たれるのだ!

安らえば、賢しい君の存在が。
いや、違うな。

私は今も捨ててなんかいない。
命もヨスガさえも捨てていないのだ。
春も来たれば尊き生命と、
舞うのはいつも、世界の終わり。

「あのね、もう終わりなんだ」

終わりなんだ。

「あのね、もうお別れなんだ」

お別れなんだ。

「うん。そんな気がしていたよ」

そんな気がしていたんだ。

終焉の門も、延々と繋がる日々の蒙昧も。
園から放たれた無知なるソフィアも。
上がれよ、昇れよ、魂じゃない。
悪魔よりももっと悪いものに取り憑かれてた。

電脳、全能、思念の脳が。
来たれ、そして、世界は君へ。

紫色した一目惚れ

ああ、君は世界で一番麗しい一輪の花。
天帝の性も、君の前では無に帰すだろうことは、細やかな僕の祈りも聞き届けてくれていた。

晴れやかなのは永遠だから。
君という花は永遠に咲くのだから。

せめて、口吻の密なる人生の秘密を知りたいのに。

「教えてくれないか?」

救ってくれないか。

君はエンドレスに咲く。
晴れやかなのは永遠だから。

一目惚れは紫色した瞳。
君の愛しいまでに煌めく瞳。

裏切られた裏切られた
この世界に
この地上に
天国などない
楽園などない

裏切られたあの日より
怠惰な日々も
病めるのも

ああ悲しい
寂しい
辛い辛い
けれど生きなきゃだめなんだ
輪廻の輪より去るのを夢見て

プロローグ

眠りに晴れて、君を待つ。
最たるものはこの恋で。

「会いたいのに、ヘレーネ」

ミュウ・クリスタルはシリウスの姫。

確か、核の炎で滅んだ星。
悪魔が支配したんだ。

泣いても、君は来ないから。
電車はあの街についた。

「待ってて、アデル」

『9と9と9が玖を迎える時』

牢に囚われていた。
救世主を待っていた。
君はいない。ここにいない。

そちら側にいて、世界の反対側にいて、物理的には無限遠で、それでも近くで繋がっている。

「月はシリウスなんだよ」

そう語ったのは彼の生まれ変わり。
髭が特徴のある中年だった。

彼と廊下を歩いているときに女神を見た。
ソフィアの名を冠した女神だった。

願いは永久、来たりて。

「ああ、君なんだね」

笑って吐いた。

エピローグ

愚問にしては、さも当然であるかのような醜態に、慌て始めた終焉の色たちは、歓喜の雨にも茹だる花々の如く散っていった。

何を言うのか。

この最たるは、天空の夢。 

青天の霹靂霹靂にも賄う贖罪よ。

シ小説『泡沫の夢』

シ小説『泡沫の夢』

天帝の性を乗り越えて。永久の罪と永らえて。 小説と詩の間。美と現実の間。死と永遠の間。そこに、何があるのかを求める者よ。 超芸術、超新感覚派、または駄作か。 いや、これは革命なのだろうか。

  • 自由詩
  • 掌編
  • ファンタジー
  • 恋愛
  • SF
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-09-02

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  1. 空場からソフィアへ
  2. 紫色した一目惚れ
  3. プロローグ
  4. 『9と9と9が玖を迎える時』
  5. エピローグ