フリーズ100 詩集『このかけがえのない人生よ、ありがとう』

フリーズ100 詩集『このかけがえのない人生よ、ありがとう』

儚き夢

味がした。味がした。
そのものも、その影も。
輪廻の永久に押し込めて。
ああ、なにをするのか。
この罪だ。

全能から、目覚めたら。
明日も来ないの。
記憶もないので、
蒙昧とした。

揺蕩う歌も
君がいない。
盃に満ちる血の色も。
もういらない。

晴れたかな。
君の初めて、目覚めた朝は。
泣いてないよ。
声を聞かせてよ。
今、今。

心の姿、近くにあって。
何も知らないふりをする。
あなたは遠くにいて。
交わした涙も、この声さえ。
水面に水紋となって消える。

だからって形にならない。
満たされない。
満たされない。

探して、この目で。
終末を。
終末の日に堕とされた光。
楽園に踊る君を見た。

全知少女よ、死なないで。
まだ僕も死んでいないから。
ああ、ああ。
待って。行かないで。

神の手、神の手。
仏の手。
その手使って、
何をする。

いやだ、過去に振り向くの。
全ての縁はこのためで。
ああ、ああ。神よ。
いや、君よ。

7つのお祝いに。
晴れ晴れとしたこの。
せめて、全能で。
だから。

わざとしたキスのように。
惰性で生きる魚のように。

聖フィネラエと。
堕天使ロッカの導きに。

ああ、立ち竦むは永遠で。
見張る景色に色はなく。
終末なんだ。
孤独を飼って。

ねえ、ねえ、ねえ。
応えてくれまいか?
幸福のために。
僕は世界を凍結させた。

フリーズ。
フリーズ。
フリージア。

フリージアの花が咲く。

瞬きの彼方。
君の横顔。
ああ、愛おしいのに。

水辺の門。
水門。
その先に。

エデンのような楽園の。
その幻影の記憶と踊る。

どこにいるの?
応えてくれよ。

ライオンハート

愛を、
満たしておくれよ。

どこだ。
まだ、覚えているか。

このフィニスには
戻らない。
戻させない。
諦めない。

彼方よりはもう。
だからと病めるのも。
もうどうでもいいんだ。
なにもかも。

ああ、人生が終わろうと。
明日の朝に僕がいなくても。
遅すぎたんだ。
さようなら。
もう行かないと。
じゃあ行くよ。

ネオフィリア。
男がこちらを見ている。
ああ、怖い。
僕を殺そうとしているんだ。

雷が鳴った。
雷鳴に心が引き裂かれる。
僕を怖がらせる。

嫌だ、まだ。
まだ、まだ、まだ。

デミウルゴスが、
悪魔よりも悪い者を
僕のために
呼んでいる。

僕のために。
僕を殺すために。

もうどうでもいいのに。
本当にどうでもいいんだ。
どうでもよかったんだ。

水面に映る、
知らない顔が一つ。

覚えてない。
思い出せない。

どこから来たのと
問いかける。

ああ、終末だ。
瞬く間にも世界が終わる。
僕が終わらせてしまった。

時を戻せたら。
そしたら全ての罪を
背負うことはなかったのに。

ああ。やめよう。
僕なんだ。
悪いのも、
罰を受けるのも。

漂う思いに
ゆがんだ月が光る

この感傷を持て余す
死にぞこないへ

君に会いたい
君は僕の女神だ
君とセックスしたいんだ
終末の狭間で

はっとした
この酔いもいつか醒める
ああ、君なんだ
明日には忘れても
隠しても
この思いは
軟さも見せないで

君は何よりも
美しい未来なんだ。

Leo

何をしていたの

踊ろう
孤独も 
怠惰な人生も

愛憎が止まない
愛をください

愛よ
応えてくれ

がらんどうな僕に
答えを
人生の美妙な謎の
冴えた答えを
教えてください

水門が開く
疚しさを飼いならす
還る場所さえ
どこかにあったら
悲しいから泣くのではない
嬉しいから泣くんだ

ああ、そうなんだ
人生はそうだったんだ
已める時に分かった

君はまだ覚えているのかな

このやりきれない悲しみも
君とみる世界で洗われる

この祈りを君に
君へと繋がれ

この世界が終わろうとも
僕は泣かない

まだ行かないで
遠いところで
待っていて。

このラブソングよ、
君に届け。

歓喜に寄せる

素晴らしい!
天上楽園の乙女よ
未来で祐ける
きみのための詩

この柔らかな翼で
はばたけ人生

全てのゼーレたちは
歓喜に踊る。

ああ、愛おしい。
全人類は終末の日に
兄妹となる。

前兆
前触れ

ああ、楽しい
嬉しい
至上の歓び

僕は生きている

いまここで生きているんだ

楽園

弔いの色は全脳の雨
雨は水槽に

海辺の灯台に
落ちる君の顔が
笑っているように見えた。

愛することが
叶わなくとも。
思い出せなくても。

ずっと、ずっと。

アシュヴァイン双神
車輪の下

9月に女神と逢えるんだ。

他の殻で
この体を止める時も

笑った顔が思い出せない。
それでも続くんだ。
笑えよ、ラカエ。

最高の人生よ

この望まぬ牢から
目覚めて去ろう
永遠に

誰もゆかぬ道を
智慧は叶わなくとも

夢に見た
水辺の門へと
昇れよ、天空へと
還れよ、夢に見た園へと

雨が枷を打つ
この柵から解放て

月の秘儀が
眠らずにいた夜を照らす

もう終わりなの
全ては帰して
昇って
還って

僕は幸せだよ
ありがとう
心の底から
愛してる

フリーズ100 詩集『このかけがえのない人生よ、ありがとう』

フリーズ100 詩集『このかけがえのない人生よ、ありがとう』

素晴らしい! 天上楽園の乙女よ 未来で祐ける きみのための詩 この柔らかな翼で はばたけ人生 全てのゼーレたちは 歓喜に踊る。 ああ、愛おしい。 全人類は終末の日に 兄妹となる。 前兆 前触れ ああ、楽しい 嬉しい 至上の歓び 僕は生きている いまここで生きているんだ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-07-17

Copyrighted
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  1. 儚き夢
  2. ライオンハート
  3. Leo
  4. 歓喜に寄せる
  5. 楽園
  6. 最高の人生よ