白夜

 一月、今日は寒いからTシャツを着て行こう。コンビニで半年分の食材を買って、帰りのスーパーでちょっとアイスでも買って帰ろうか。公園で楽しそうにはしゃいで砂まみれになった大人を横目に、足速に駅に向かう制服姿の女子高生。

 鏡を見るとあの日あの人を思い出す。滑らかな声で読まれるゴツゴツしたニュースに頭をぶん殴られたあの日。すぐに助けに行くと言ったのに繋がれて動かない足。

 赤い目、柔らかい肌、鋭い牙、温かい声。

 全てが変わったあの日から何も変わらない今日。

白夜

白夜

  • 随筆・エッセイ
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2022-03-01

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