朝
いちばん最初の
鳥が鳴くのは
朝日に近い木の葉が
呼吸し始めるときだ
背伸びして広がる花たち
地面は静かにゆっくりとふくらみを増す
鮮明になった空は忙しく
鳥が集まりまた離れる
それを目で追う犬が
カーテンの開く音で振り返って尻尾を振る
水滴で曇った窓から
顔を出した父の息は白く
ずいぶん冷えたな、の言葉は
母の包丁の音と重なった
私はというと
今日の世界の始まりに安心して
自分の体温の中で
出番を遅らせている
朝
いちばん最初の
鳥が鳴くのは
朝日に近い木の葉が
呼吸し始めるときだ
背伸びして広がる花たち
地面は静かにゆっくりとふくらみを増す
鮮明になった空は忙しく
鳥が集まりまた離れる
それを目で追う犬が
カーテンの開く音で振り返って尻尾を振る
水滴で曇った窓から
顔を出した父の息は白く
ずいぶん冷えたな、の言葉は
母の包丁の音と重なった
私はというと
今日の世界の始まりに安心して
自分の体温の中で
出番を遅らせている
朝