月

あの人と目があって
わたしがきらきらリボンをつけたのも

自分が正しいと
わたしの中で小さな虫が大行進したのも

わかりあえないと
わたしの胸にできた湖も

月は見てる

わたしは、月に
どう思ってるの?、と聞く

月は何にも言わないけど

深い藍色に
きいろとオレンジを溶け込ませて

大きな丸さを
静かに揺らしながら

わたしから目をそらさない

だから、わたしは

すっかり安心して

眠くなるんだ

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-09-12

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