黒猫現る 少しの夢を見させる 娘と父親編

黒猫現る 少しの夢を見させる 娘と父親編

私は、小さな会社の総務を担当している当たり前のサラリーマンだ。高宮章一《たかみやしょういち》。妻の郷子《きょうこ》とは、付き合って、しばらくして、妊娠させてしまったので、直ぐに結婚した。妻は、とても献身的で、私は、すごく愛していた。

 ある日、突然、警察から妻の死を知らされた。2日前、田舎の墓参りに行くと出掛けたのだが、そのまま連絡が途絶え、心配していたところだった。

 あの日から、四十九日をすましたところだった。あの日、妻は何者かに連れ去られたのだろう。離れた山林の中で、数日後に発見された。衣服が乱れ、無残な姿だったらしい。まだ、犯人は解っていない。犯人が憎かった。妻の身体をむさぼり、そして無残にも命を奪った。私から・・。

 一人娘の あかり は、その時、高校3年生で、大学受験の最中だつた。ショックからか、希望の大学に失敗し、短大に進んだ。しばらくは、沈んでいたが、父親思いで家事のことも進んでやってくれている。
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 1周忌を終えて、私は、台所でビールを飲んでいた。風呂あがりで、あかりがタオルを頭に巻き付けて、コップを持ってきて

「私にも ちょうだいな」
 
 タンクトップにタオル地の短パンだ。バスタオルを肩に掛けているが、ブラジャーも付けてなく、胸の形がそのままにわかる。やはり、目のやり場に困るが、それとなく、見てしまう。長かった髪の毛を切ったので、最近、ますます妻に面影も似てきたように思う。あのうなじと横顔なんか、新婚当時の彼女とそっくりだ。

 郷子の実家は、北陸の小さな漁村だ。高校を卒業して、就職してきて、私と知り合った。12年前に父親が亡くなって、その後は、彼女の兄が後を継いでいたが、3年前に突然、全てを放り出して、外国に行ってしまった。母親はずーと前に亡くなっていたので、その実家も近くの山にあるお墓もほったらかしだった。彼女も父親が亡くなって、3回忌からずーと帰ってなかったので、13回忌ということで、独りでお墓参りに出掛けて行った。その場所から、少し離れた山中で遺体が発見された。あかりには、彼女が犯されていたことを知らせていなかったが、新聞とかネットで、おそらく知っていると思われる。

 それでも、あかりは、大学生になってから明るく振舞ってくれて、私を気遣ってくれてか、クラブにも入らず、私の休みの土日も一緒に過ごしてくれて、外食も必ず一緒だった。

 そんなあかりにも、2年の夏頃に、付き合う男性が現れた。5才年上の社会人だったが、研修とかで知り合ったらしい。お互い、魅かれあって結婚の約束をしたらしかった。年が明けて、私に紹介されたが、なかなかの好青年のようだった。ところが、3月に入った頃、彼の海外出向が決まって、長期になるので、彼は結婚してあかりを連れて行きたいと申し込んできた。あかりも悩んでいたが、私が、好きな人とは離れない方が良い、一緒に行けと諭した。あかりの短大の卒業式が終わって、妻の3回忌を終えて、翌日が結婚式で、その日に彼女等は旅立つことになっている。

 3回忌を終えて、私は、庭先に足を投げ出して、酒を飲んでいた。妻が手入れしていて、三色すみれが咲いている。私とあかりと彼氏の3人だけの寂しい法事だった。私には、兄弟も居なくて、両親ももう他界している。川を見下ろせる小高い丘にある墓地に、妻を眠らせた。

 犯人が憎い。辱めを受けながらも、妻は快感に腰を震わせていたのだろうかと思うと・・。あの日、出掛ける前の夜のこと。私は、妻を抱いた夜のことを想いだしていた。何かが、知らせたのかも知れない。どちらからということもなく愛しあった。

 風呂あがりに妻は、白いレースのナイトウェア姿でベッドに寄り添うようにしてきた。私は、もうトランクスも脱いでいて、その時には、股間のものもその気になっていた。
 布団をはいで、妻の柔らかい身体を抱き寄せ、唇を寄せていった。シャンプーの香りがする髪をかき上げ、首筋から耳に唇を這わすようにすると、妻は口を開き、声が出るでもなく、長い吐息を漏らしていた。

 太腿から手を滑らして、中心に持っていくと、布地の上からもわかるほど湿っている。その上から撫でるようにすると、初めて、妻は声をあげ始めていた。この時のために用意したのだろう、腰の部分が細く紐のようになっている小さなものを穿いている。私は、胸を広げ、乳首を口の中で転がしながら、その紐の部分から中に指をくぐらせていって、繁みの中まで進めると、もう、愛蜜が溢れるようだった。その部分の縁を触れるか触れないかで撫でるようにしていると

「あぁー そんな じらさないでください もっと もっと触って あぁーん」

 妻は、いつもより、燃えてくるのが早いようだった。

「嫌よー お願い 指を入れて― もっと奥まで」
 
 溢れている中に指を入れ、2本入れた時

「ああー そんなー 声が出てしまうわ あかりに・・聞こえるわ・・」

「大丈夫だよ もう寝ているよ 気持ち良いかい」

「えぇ いいー 気持ち良いわぁ ねぇーん あそこも お願いよ」

 と言って、自分で脱ごうとしていたので、私は妻の両脚を持ち上げ、お尻から小さな布切れを脱がしていった。脚を抱えながら、太腿から中心に向かって、舌をゆっくり這わせていった。妻はあそこを舐めあげると一層燃えてくるのだ。気持ちが良いのか、いつもおねだりしてくる。

 恥毛をわけ中心を舌でつつくと、声が大きくなり、腰も振ってきているようだ。あかりのことなど忘れてしまっていた。

「ねぇ きて もう入れてください 章一さんのが欲しい」

 私は、妻のウェァをすっかり脱がしていった、その白い身体を抱きしめながら、耳元で

「まだダメだ 今夜は、もっといじめてやる」
 
 と、ささやきながら、あれの先っぽを窪みの縁を撫でるようにしていた。もう、私のもはち切れそうだった。子供を1人しか産んでいないせいか、まだ、狭く締まってくるようなのを知っている。早く、入れたいが

「あーん そんなー 嫌よー は や く」

 と、喘ぎながら、私のものを探るように握ってきた。

「お願い 入れてください もう 我慢できない 章一さん 欲しい 奥まで入れてー」

 いつの頃か、郷子は娼婦のように激しく燃えるようになっていた。あかりが生まれて、最初の時からだと思う。あそこを舐めるのをねだるようになったのも・・結婚当初は恥ずかしがっていたが。
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 飲みすぎたのか、妻の想い出にふけってしまった。愛していたし、出来れば、あの白い身体をもう一度抱きたい。そして、あの中で果てたい、と思っていた。

 垣根の間から、黒猫が現れ寄ってきた。私は、食べかけのめ刺しを差し出した。

「お父さん もう 明日、式なんだからね あんまり飲まないで、寝て頂戴よ あら、可愛い猫ちゃんね 待ってて、お昼の折の肉団子あるから」

 と、あかりが取りに行って、お皿に入れて持ってきた。

「赤いリボンしているね どこかで飼われているのかしら お父さん、もう、私寝るね 早く寝てよ」と、言いながら、2階に上っていこうとした時

「お父さん 今まで、ありがとう 私、お父さんの娘で良かった 何かで、恩返ししたいけど・・、ありがとうございました」

 私は、涙を抑えながら、寝るつもりで立ち上がったら

 その時、

「お前の夢をもう一度、見させてやる」

 空耳か、猫が話かけてきたような気がしたが、寝室に向かった。

 私は、知っていた。高校の受験勉強をしていた頃、夜遅く、下に下りて行くと両親の寝室から、母の鳴くような声がしていたのを。しばらくして、それはセックスの時の喘ぎ声なんだとわかった。お風呂あがりに白いレースのナイトウェァを着て、寝室に入って行くのも、何度か見ていた。

 あの日、母がお墓参りに出掛ける前の晩も、二人がしていたのも聞いていた。今までよりも、激しかったように思う。私には、経験がないが、そんなに声が出てしまうほど気持ちがいいのかしら。その日も、あのウェァを着て、寝室に入って行くのを見ていた。

 それに、母が亡くなって以来、父は寝室に母の衣装をハンガーで掛けているのも、季節毎にそれを換えているのも気づいていた。そして、夜中に父のうめき声みたいなのが聞こえてくることも。

 ある日、その寝室も掃除しようとしていたら、ベッドに多分、母のだろう下着が布団の下から出てきた。私には、セクシーすぎるものだ。その時、脳裏に、父がこの下着に想いを寄せて、欲求を満たしている姿が浮かんだ。その時の声だったんだ。お父さんにとっては、かけがいのない存在で、今でも、お母さんのこと愛していて、忘れられないんだと思った。淋しいのだ。なのに、私には、好きな人とは離れるな、自分のことは気にするなと送り出そうとしている。

 お父さん、私、明日嫁ぎます。今夜は、あんまり飲み過ぎないで早く寝てくださいね。

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 確か、しばらく寝たはずだった。薄明りの中で、白いナイトウェァを着た郷子が横に来て

「抱いて」と短く言って、抱き着いて、キスをしてきた。懐かしいシャンプーの香りがする。私は「郷子 郷子」とうなりながら、抱きしめて、首筋から唇まで吸っていった。

 私は、郷子の背中を撫でながら、お尻のほうに下ろしていった、はじくようにプルンとしていた。太腿から中心に向かって、探って行ったが、今夜の郷子は何も穿いていなかった。今までは、私を楽しませる為か、セクシーなものを必ず身に着けていたのだが。繁みを分けて、その中心に指を這わすと、その時には「あっ ぁー」と、今までこらえていたように吐息が聞こえた。指を入れると「ウッ」と口を結んでいた。少ないのだ、いつもより、愛蜜が、そのせいで、痛いのか。

 私は、いつものように胸を広げて、乳房に唇を這わせた。片手で乳房を寄せながら、吸っていったが、新婚当時のような、小さめだが張りがあって弾力も感じていた。両脚をあげるようにして、あそこに唇を寄せて行くと「嫌」と手で塞ぐようにしてきた。その手を広げて、強引に唇を這わせていった。郷子は口を開いて小さい声で何かをうわごとのように言っていた。中心に舌を入れた時「あっ いやっ」というのを聞いた。私は、唾液で濡らすようにあそこを舐めていった。

 ナイトウェァを脱がして、その裸身を眺めると、薄明りの中で透けるように白くて、くびれた腰にプルンとしたお尻からまっすぐ伸びた脚・・結婚した当時の郷子の姿だ。郷子が帰って来たのだと思った。だから、あそこを舐めていくと、恥ずかしがっていたのか。

 そして、郷子の中心に入って行った。郷子は歯を食いしばっているようにしている。先端が入った時「うっ」と聞こえた。「痛いのか やめようか」と聞いたが、郷子は首を振って「いいの 入ってきて」と、抱き着いてきた。そのまま、進めて、ツルンという感じがあった。「あぁー」と郷子はもらして、枕元でこらえるように両手を結んでいた。私は、ゆっくりと上下していたが、そのうち「郷子 郷子 すばらしいぞ」とうめきながら激しく動いていた。郷子も、抱き着いてきたり、両手を広げるようにしたりしていた。

 その時「あなた 好きよ いいわぁ 気持ち良いぃー」としがみついてきて「出して 中に思いっきり出して」と言ってきた。私の動きは激しくなって「出すぞ」と弾けて、ドクドクと注がれるのを感じながら「いいぞ 郷子 気持ちいいぞ」と、そのまま郷子を抱きしめていた。郷子も「あなたぁー 幸せよ」と言いながら、しがみついてきた。あそこが、まだヒクヒクしている。

「お父さん 起きてよ 式は11時からだからね 遅れないでよ 私 着付けあるから、もう、出るわよ 絶対に遅れないでよ 30分前には来てね それから、お父さんも、良い人見つけてね あれだけ、愛してくれたから、もう、お母さんも怒らないと思うよ」

 そうか、今日は、あかりの大切な日だ。だけど、何を言って、出て行ったんだ。私は、着替えて、郷子の仏前に向かって

「行ってくるよ 郷子 お前も見守ってやってくれ あかりの花嫁姿 昨日は現れてくれてありがとう」

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 式を終えて、私は、独りで家に帰ってきた。ビールを片手に庭に向かって、座っていた。

 あの黒猫が現れて、

「おお 夢を見させてくれるって言ってたよな いい夢だったよ ちょっと待て、サバの缶詰が確かあった」

 と、皿にあけて、黒猫の前に置いて、私は、着替えに行った。
 
 寝室に入ると、白いレースのナイトウェァがハンガーに掛かっていた。確か、萌黄色のワンピースを掛けていたはずだが・・。朝は、気づかなかった。いつの間に・・。

 不思議な気持ちで、黒猫のもとに戻って

「あれも、お前がやったのか」と、猫に向かって聞いた。

「そうだ お前にいい夢を見させてやった 父親思いのいい娘だ これからは、その夢を抱いて、前を向いて行けよ」と、垣根に消えて行った。

 そういえば、している最中は、郷子は章一さんと呼んでいたはずが、昨日は あなた と言ってしがみついてきていた。あの若い肢体 まさか・・・

黒猫現る 少しの夢を見させる 娘と父親編

黒猫現る 少しの夢を見させる 娘と父親編

私は、愛する妻と娘と普通の生活を送っていたが、妻がお墓参りに独りで出掛けた後、連絡が途絶えていた。警察からの連絡で、確認に行ったら、確かに妻だった。衣服が引き裂かれ、無残な姿だったらしい。その後、愛する妻への想いを抱きながら、娘と平穏な日々を送っていたが、娘の結婚が決まり、嫁ぐ日の前日、妻と愛し合った時のことを想い出していると 黒猫が現れ・・

  • 小説
  • 短編
  • ファンタジー
  • 成人向け
  • 強い性的表現
更新日
登録日
2021-07-04

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