鱗屑の詩
くずれていく、からだの隅から、くずれていって、わたしは、蝶になった夏を、抱きよせようと、水に浸かっている、(わたしのすべて、わたしのいちぶ、)その秘めている、肉体のための肌たちは、わたしがいつか、滅びるように、また、水中で、くずれていく、
肉でもない、皮膚をめくって、なんども蘇ろうとしている乾燥している部位は、もう、わたしという、個体ではないわたしのなかから、また、わたしがでてくることに、たまにしか、気づかないで、わたしは醜くなっているわたしは醜いまま、美しいままでいたい美しく、いたい肌は生きているそして、死を、受けいれている
蝶が、舞って、おちていく、(わたしのすべて、わたしのいちぶ、)完全ではない美の、醜さを、くずしてしまい、水の膜が、わたしを隠し、隅から、くずれていく、死を、受けいれている、
鱗屑の詩