いちねんせいになったら

いちねんせいになったら

いちねんせいになったら

 いちねんせいになったら、いちねんせいになったら、ともだちひゃくにんできるかな。
 だけど、しょうがっこうになんか、いきたくない。いちねんせいになったら、だいすきなミオちゃんにあえなくなっちゃうから。ひゃくにんのともだちなんてできなくたっていいから、ぼくは、たったひとりのミオちゃんといっしょがいい。

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 一年生になったら、一年生になったら、バトミントン部に入るんだ。ミオちゃんがどこの中学なのかは知らないけれど、部活の大会で再会できるかもしれないから。ミオちゃんのお母さんはバトミントンの有名な選手だって、聞いたことがある。幼稚園の頃の記憶だからあいまいだけれど、「お母さんみたいに、バドミントンが上手になりたい」と言っていたことだけは覚えている。

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 一年生になったら、一年生になったら、ミオちゃんと同じ高校に入れるだろうか。彼女はバドミントンの強豪で、なおかつ県内トップレベルに学力が高い進学校が第一希望だと言っていた。ぼくも同じ高校が第一志望だけれど、可能性はゼロに近いかも。ちゃんと高校一年生になれるだろうか。

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 一年生になったら、一年生になったら、今まで以上の遠距離になる。大学一年になったからといって、大人になったわけじゃない。バイト代だって限られているから、毎週末に会うなんてたぶんできない。僕は一人暮らしだけど、彼女はバドミントン部の寮に入ると言っていた。なかなか会う機会はないだろうけれど、会える時は二人の時間を大切に、満喫しよう。

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 一年生になったら、一年生になったら、思ったより残業も多いし、通勤に時間もかかるし、連絡がおろそかになってきたなあ。社会人一年生は、これまでの人生が嘘のように目まぐるしく過ぎていく。気持ちや心が疲弊して、立ち止まりそうになる。だけど、彼女の活躍をニュースなどで目にして、自分も頑張ろうという気持ちになる。僕にできることは、彼女を応援することと、彼女を愛すること。

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 一年生になったら、一年生になったら、夜泣きが想像以上に激しいことを知った。パパ一年生として、同じくママ一年生の妻の負担が少しでも減るようにしているつもりだけれど、なんだかんだで任せてしまっている節がある。改めよう。

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 いちねんせいになったら、いちねんせいになったら、と我が子が歌う姿が愛おしい。妻にそっくりな君は、おっきくなったら、何になりたい?
「お母さんみたいに、バドミントンが上手になりたい」

いちねんせいになったら

いちねんせいになったら

  • 小説
  • 掌編
  • 青春
  • 恋愛
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2021-05-11

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