三四等星

林やは

銀河の三角に、ぼくたちのこえがぶつかって、波ができたので、星々は、ないています。淡い、恋みたいな、かおりでした。星たちのやさしいところだけを、舐めているみたいでした。銀河系は、ひとりぼっちの、あつまりかもしれません。ぼくたち、また、であったのです。

ひとのかなしみを、すくいあげる仕事に就いたきみは、きみではないようで、ぼくのかなしみは、きみにすくわれるためのものではなかったけれど、すきだよ、と、まいにちこっそり、ないた。たった銀河の末端のできごとだった。ぼくの世界じゅうが、きみにやさしくしていたのだ。やさしいから、と、すべて望外な夜になった。

銀河をみつめるだけで、美しい、と、おもえました。だからぼくたちは、六等星にはなりたくないまま、一等星になれなくても、よかったのです。ひとりぼっちの、星に、こえをぶつけて、ぼくたちどこまでも、ひとりだ、としってしまえることが、愛おしかったのです。ひとの、かなしみや、きみの、かなしみで、星をなかせて眠る、夜だから。ぼくは、三四等星くらいでよかったのです。

三四等星

三四等星

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-11-17

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