花と天国

林やは

死んでいくことは、まったくおそろしくない。
肉体はいつか滅びる。滅びるよ、ぼくら。

ひとが花にさわるのは、天国へいくからだ。いのちは尊い、ということを、口にする。ひとは、やさしくなる、しゅんかんに、死をそうぞうして、そのやさしさに気づいたとき、ひとごろしになり、いのちにやさしく、削られている。しゅんかんが、えいえんになるようなことに、あこがれているのだ。延命されたい。だから、えいえんに死んでしまう。そのときはもう、肉体は、いらない。

慈しみは、いつか、肉体を滅ぼすための、慣例。

花と天国

花と天国

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-11-17

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