棘の詩
はだかになって、やわらかい、と、しった。
(きみは、怪物に、にていた。)
きれいになるために、とり除かれたもので、できている、ひとたちがいる。洗礼されている。堕ちてしまった、天使ほどのかがやきに照らされて、しかし、たまに光るくらいで、あとは、なにごともないように、死んでいた。いたかった。きみもぼくも、そういうひとではなかったから、にくしみが、ひとつあることは、とうぜんだとおもっていた。
(しかし、きっとここは、もうひとつの、天国なのだ。)
きれいなものが、生きている。そして、死んでいるものたちのとなりで、死んでいく。きみもぼくも、ひとびとも、怪物なんて、おそろしい。だれもがおそろしい。いたいほどのものなんて、いらない。ほんとうは、いらない。
みんな、肌を、みせてよ。
棘の詩