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林やは

あなたは、たったひとつのいのちを、ママに、捧げている。そしてあなたが、海砂を数えているあいだに、わたしは、沿岸で、ほんとうに産まれた。いちぶになって、あなたの、いちぶになって、いちぶであって、わたしはやっと、美しいものと、同化する。さかなにはなれない、かなしみとともに、あなたもわたしも、ママにもらったものを、食べていた、いま。

映っているものが、すべて、ないものです。そして、美しいもの。あなたのことほど、存在することが、尊いものはない、と、ママは教えてくれて、わたしは、ママの子でよかった、と、おもった。愛されていることが、わかる。わたしにふれて、わたしの体内をしりつくしている。あたたかかったすべてと、とてもおそろしかった断片が、あなたの生活であり、わたしの、ゆめ。とろけてしまいそうになる、そのゆめを、わたしは、この世界に、詰めこみたい。

世界じゅうのひとびとの、なかに存在していてほしい、わたしは、胎内のことを、おもう。あなたは、羊水で、泳いでいた、かわいいものだった。そして、いまも、あなたはかわいいまま、歩いて、食べている。ママと、ともに、生きている。

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  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日 2020-09-11

Copyrighted
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