ひとりになっているとき

ひとりになっているとき

またやった、

とわかる

自分から歩くのをやめて

気付かれないように

先に歩いていくあなたの背中を

少し目をほそめて

見つめる

そして

ほらね、と

唇がゆがめて

距離がひろがっていくのを見ながら

胸に細い針がささるのが

気持ちがよくて

安心する

もう少しして

振り向いたあなたが

同じように胸に針がささるのを

想像して

待っている

ひとりになっているとき

またやった、

とわかる

ひとりになっているとき

ひとりになっているとき

  • 自由詩
  • 掌編
  • 全年齢対象
更新日
登録日
2020-09-01

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