プラタナス、そして
才能という言葉が嫌いなの。
理解とは、かくも、乏しきものか
才気とは、かくも、空しきものか
Curiousな、孤独者の、秋の日の、夢想
Geniusな、外道者の、おろそかな、懺悔
プラタナス、咲く、プラタナス
プラタナス、泣く、プラタナス
倫理とは、かくも、悲しきものか
気概とは、かくも、可笑しきものか
Curiousな、孤独者は、その夜に、一人踊る
Geniusな、外道者は、六畳で、嘘をつく
プラタナス、咲く、プラタナス
プラタナス、泣く、プラタナス
人の世の、常なる想い、身にひそめ
受けたるは、はかなき命、そのひとつ
すずかけの、まろき種実を、ふと撫づれば
永久の音の、さびしき声の、響きゆく……
夕暮れに佇つ、一人の若者
夕暮れに散る、ひとつの木洩れ日
恋愛とは、かくも、懐しきものか
芸術とは、かくも、短きものか
Curiousな、君の目が、僕の芯を、撃つとき
Geniusな、僕たちを、天界が、綴じ結ぶ
プラタナス、ああ、プラタナス
プラタナス、そして、プラタナス
青春の一時よ、プラタナス
愛憎の交感よ、プラタナス
生産の疼痛よ、プラタナス
創造の光脈よ、プラタナス
プラタナス、咲け、プラタナス!
プラタナス、泣け、プラタナス!
プラタナス、そして
詩の天才と、音楽の天才の恋。