空に浮かぶ学術機関。 遠くに遠くに進む推進力には限りがない。 ルナ、六歳の少女もきっと同じ。 だけど、見下ろすと地球という青白く光る球体がある。 ――その日、ルナは天才科学者、南原秋蔵と出会うのだった。
ある日突然、特殊な能力が開花することがある。ほとんどの場合は子供の頃の話で、急にすごい絵を描いたり、円周率を何十桁も暗記したり、といったことだ。大人になればそんなことはないだろうと、ヒロシは思っていた。 あの日までは…
高校3年生の少女縹マリ(ハナダ マリ)は父親からの虐待や祖父と祖母の突然の他界に耐えかね、自殺を図った。しかし、何者かに連れ去られ自殺は失敗に終わる。マリを連れ去った者の正体、目的、謎は深まっていく。 他サイトにて掲載済みの作品です。(小説家になろう)
午後の外廻りは誰しも眠いものだ。缶コーヒーでも飲もうと、大久保が道路脇の自販機にコインを入れようとした時、ふと、背後に人の気配を感じた。振り返ると、ひどく疲れた様子のサラリーマン風の男が立っていた。髪はボサボサ、無精髭を生やし、だらしなく…
マミはロボットのトモゾーが大好きだった。 マミが物心つく前からトモゾーは家にいた。パパに聞いたら、パパもそうだと言う。トモゾーを買ったのは、パパのパパ、つまり、マミのおじいちゃんだ。人間ならもう六十歳を超えているはずとパパが言っていた…
雲の切れ間で撮れた1枚の写真が始まりだった。 日本各地で起こる数々の不可解な事件 それらは全て「鬼」が起こしたものだった。 二人の捜査官が鬼に立ち向かう 随分とありきたりな話である。
坂口がマイカー通勤していると言うと、大抵うらやましがられる。 だが、渋滞に巻き込まれたり、油断してバッテリーが上がったり、ガス欠寸前なのに近くにガソリンスタンドがなかったり、ほんのちょっと停めただけなのに駐禁を切られたり、やけに前が空いて…
山本は日頃の運動不足を補う為、雨の日以外は会社の最寄り駅のひとつ手前で降り、そこから歩くことにしている。なるべく排気ガスを吸いたくないので大通りは避け、裏の路地を縫うように歩く。 いつも通る道の途中に魚肉加工工場があるせいか、この辺りは…
モニター画面いっぱいに番組のタイトルが映った。『宇宙のグルメショー!』 それに合わせて、軽快なテーマ音楽が流れる。 すぐに画面が…
小型の隕石群が降り注いだ大災厄「星降りの夜」 人類も含め、多くの生物の命は瞬く間に消え去った。 一部の人間はその中で特異な能力に目覚める。 火や水を操る超能力を身に付けた、進化した人類「超人類」と進化できなかった人類「前人類」との長きにわたる戦争が起こった。 超人類の圧倒的な勝利で終結した戦争から500年。 少年アクタと少女エストロは町を出て世界を巡る。 ー星降りの夜はまだ明けていないのだからー
その日、里中は合コンで知り合ったリカちゃんと近所の遊園地で初デートだった。先に着いて待っていると、リカちゃんから三十分ほど遅れそうだとのメールが来た。しかたなく何か時間をツブせるものはないかと周囲を見回すと、派手な色の看板が目に入った…