山間の田舎町で、将来に漠然とした不安を抱えていた高校三年の敦彦は、自宅の部屋の窓から公衆電話で援助交際をしている幼馴染のエツ(悦子)の姿を目撃する。 異性で唯一親交のあるエツに以前から思いを寄せていた敦彦は、嫉妬心から電話ボックスのエツを視姦して自慰行為に及ぼうとするが、エツの鞄にぶら下がった不可解な赤いお守りをきっかけに、夏の夜の神社で体験したある出来事を思い出す。 それはエツの後ろめたい家庭事情が引き起こした暗い事件で、敦彦はそれが天真爛漫で妙に成熟したエツが生まれながらに持つ深い業のせいだと知る。 自分を縛る環境から逃れるために町を出て行ったエツを、周囲の人間はただの不良少女として簡単に扱おうとするが、敦彦だけはいつまでもエツを擁護しようと心に誓い、卒業式の日に前からどうしてもエツに聞いておきたかった事を聞くためにエツに最後の電話をする。
チベット高原とは天空の民が住む地球の果てである。 高山病、慣れない食事、言語、ホームシックと 戦いながら、たくましくも兄妹が愛をはぐくんでいく。
1997年。父の仕事の都合で新潟から福島の小学校への転校した一哉は信濃川の桜を懐かしみ、転校先の学校でできた友達に教えられた松川の桜の下で一人の少女と出会う。 プルシアンブルーのワンピースを着た、高潔な美を纏う少女に少年は恋を覚える。
何から話しましょうか。まずは俺のことでしょうか。 俺は百田糸。26歳。メモリーブレインである。 メモリーブレインとは、故人が思い残した記憶を 受取ることのできる人間のことである。
あなた以上に大切なものなど何もなかった。 小さな身を懸けて、心から愛すること、命の尊さを教えてくれたリン。 あのかけがえのない日々を、ずっと。