カウンセリングのように悩みを打ち明ける部屋に赴く僕。深い皺が刻まれた老人が応えてくれる。 けれど、それがいつもとは何かが異なる。 ぼくは僕を話しているはずなのに、老人の彼は僕ではない何かと話しているかのように、噛み合ない。かみ合っていると思う僕と訝る僕。 若く、そして平凡だと、それを長年願っていた僕は面倒から避け、波風を立てないように引きこもっていた、溶け込もうとしているだけであったこと。 深い皺が刻まれた老人は、その「僕」の仮面の下にいる、自分自身を露にするために尽力尽くしていた僕自身の一部であった。
化け物は思う。幸せはつらいんだと。 化け物のなりそこないはつぶやく。幸せは何故あるのだと。 化け物達の一生をかけた青春は何を残し、何を奏でていくのか 心が冷たくなり、暖まる青春ストーリーをあなたに・・・
何らかの能力を持つものが集まり結成された『イリュージョン』またの名を『裏の反乱軍』 彼らが恨みを抱くのは… 社会 彼らは自分の能力とどう立ち向かうのか
3人の中学生がそれぞれ自分の悩みに立ち向かう。 本当の自分とは違う『場所』にいるもの、本当の友達の居ないもの、叶わぬ恋に引かれるもの。 3人が行きつく結末とは…
9月の台風が接近している時期。 ニュースのお天気キャスターは知らぬ顔でお仕事。 外に出かける僕。横殴りの風雨。めんどくさがりの傘さしが身体をあっという間に濡らしていく。 視界が足下だけになってしまう傘をさしながら歩を進めていくと、少年の挨拶。晴れの様に全く雨を感じさせない格好と雰囲気との出会い。 振り返ったときは確かめられない出会い。 少し歩くと、モンシロチョウが目に入る。土砂降りの地面に佇んでいるのを発見する。不思議な発見。
日々を息苦しく過ごす彼は、突然の訃報が。 それは初恋の彼女の死の知らせだった 帰郷した彼に待っていたものは? 恐ろしくも儚い恋愛小説だ。
現代日本の地方都市で猟奇殺人事件が続く。松江公昭は犯人が実の父親であることを突き止める。松江家はみずからの寿命を削ることで術を使う。父の公則はあろうことか守るべき街の住人を食らうことで延命を図っていた。その事実を知って公昭は父を討つ。一ノ瀬雫那(いちのせ・しずな)という少女の手を借りて。彼女は松江家とは正反対に他人の命を奪って術と刀を使うのだった。二人は反目しながらも、それぞれの日常を守るために新たな事件を追う。 月は古くから不老不死を司ってきた。その月に願いが届けば不老不死をもたらす変若水(おちみず)が手に入る。それは天からの恵み。ただし天恵と天災は常につり合いが取れており、誰かが人為的に天恵をこえば同じ程度の天災が別の誰かに降りかかる。変若水が生成されれば大災害につながりかねない。