全国的に有名な自殺名所の崖「朝ヶ丘」。その崖の側にある土産屋の息子、和広。彼は画家を目指し高校生活を送っていたが、将来の不安で揺れていた。そんな高校三年生の夏休みの朝、彼は不思議な少女「美空」に出会う。その出会いは、過去と今の時計の歯車をかみ合わせるものだった。
ある冬の参拝。 冬の朝の空気や参拝の一つ一つの佇まいと、それへのあいさつ。その空間。その心地よさ。 そこで出会った野良猫との些細なやり取り。やせ細って一時のお天道様の暖かみに和み、会話が弾む。 そんなお話。
やけにはっきり見る夢 『明晰夢』(めいせきむ) 忘れたくても忘れられない 『あの日の失敗』 高校最後の夏の日。 二人は一線を越えた。 それから7~8年後、二人は……?
落下から始まる物語1〜10をまとめたものです。 文化祭、転校生、殺人事件、陰謀、恋愛・・・ 今から100年くらい未来の世界で、大人や子供が現在と変わらない、ありきたりな営みを繰り広げ、 大人は仕事に、子供は成長に、皆が自分の人生に励み、世界は回る。 そんな物語になると良いと思っています。
夜明けの一時の時間。その刻を自転車で進む。薄暗く冷たい空気、そこに引かれている自転車専用道。 西は薄暗く、東は淡く明らんでいる。 夜行性のものと、朝に起きる者たちがどちらも静かに佇む時間。そんな空白な時間にこそ、あらゆる「隠れていたものたち」が踊っている。 それは、誰でもが一つの存在でありながら、全部と繋がっていることを確かめられやすい時。そんな一コマ。