少し先の未来。小型ホログラム装置”スキンボックス”が開発され、人々は自分の容姿を変えるホログラム ”スキン”を投影して、手軽に理想の容姿を手に入れられるようなった。やがて、スキンは社会に浸透し、生身で歩く人間はほとんどいなくなった。主人公もその一人。日々スキンを変え、理想の自分を楽しんでいた。 ある日、街でスキンをつけず生身で颯爽と歩く女の子と出会う。気になった主人公は、スキンを変えながら彼女の後を追って行くのだが……。 そして同じ頃、街頭でスキンが一斉に悍ましい姿に変えられる事件が発生する。
気怠く着崩した学ランと明るく染めた髪の毛、上履きの踵は履きつぶすイツキの最大にして最高の秘密は ”歯がゆく甘酸っぱい物語を書いている ”事だった。 誰にも知られる訳にはいかないはずのそれが、うっかり教室に原稿用紙を置き忘れクラスメイトのミコトに読まれてしまう。 ”感想お願いします ”とだけ書かれたそれに目を輝かせ読み耽るミコトはまさか作者がイツキだなんて思うはずもなく。 いつしかふたりで顔を並べて恋物語を読み進めるうちに、イツキは初めて物語ではない本物の ”恋 ”を知るが・・・。 ≪全67話 完結≫