この世に生れてから去るまでの間に、人は何を残すのだろう。 残された人達の記憶だったり、愛憎の感情だったり、 さまざまな記録や業績だったり、命だったりするのだろう。 そして・・・いずれ、その人たちも、自分の思いを残った人に伝えて、去って行く。 そんな連鎖の永続性を思いながら書いてみました。
九 午後八時三分から午後八時三十七分四秒まで 酸素ボンベの女
「どうもいかんのう」妖怪博士が呟く。 「出ませんか」妖怪博士付きの編集者もため息をつく。しかし、この問題は最初から無理なのかもしれない。つまり、妖怪がなかなか出ないのだ。