「――勇者よ、勇者よ、起きなさい――」 梅森かおるが目を開けるとそこには、美しいお姫様が立っていた―― と思いきや、マッチョでイカついおっさんがメイド服姿で立っていた。
腕の花は緩やかに全身を廻る毒のように、しかしその可憐さは一人の少女を魅了した。 彼女は花を見て笑い、しかし花は彼女を見て何を思うのか。 二人の間に私は立つ。花の香りと魅了された娘との間を取り持ち、しかし確かにその香りに誘われていた。
仕事を終えてバスに乗り、吊革に体重を預けながら、和代はぼんやり外を眺めていた。頭の中では、昔、父が酔っぱらうとよく歌っていた『今日の~、仕事はつらかった~』というフレーズがエンドレスで流れている。トートバッグからスマホを出して何という曲名か......