惨めだと泣きたくない。現実を認められない。けれど、見つめなければ、死ぬしかない。死ぬしかないのなら、せめて愛しい人を想いながら。 「私は、惨めですか?」 泣きたい訳じゃないのに、声は震える。どうしてか。どうしても。
僕は君を探し続けている。 空間も時間もない世界。 「稜君、寂しかった。やっと逢えた。」 「美和子かい。君を感じられる。君の声が僕の胸で響いている」 「美和子は菜摘なのかい」 「ここは、何処なのだろう。君はいつからいるのかい?」 「分からないわ。でも、あなたをずっと感じていた。幸せだったよ」 「もうすぐゼロの時間が消えるのよ。愛が、時間を創るの」