アトゴフンは、魔法の言葉。 でも、どの魔法使いも、ちゃんと使いこなせない魔法。 アトゴフン待って アトゴフンで終わるから いつも300秒では収まらない、気休めで世界一不正確な概念。 アトゴフン。
おれはサプリメントのセールスマン。 化学者の相棒とコンビを組んで会社をやっている。 今回の客の注文はいわゆる媚薬であった。
明け方まで原稿を清書していたため、笹崎が起きたのは昼過ぎだった。水でも飲もうとリビングに行くと、テーブルの上に置いていた原稿の前に、妻が座っていた。「あなた、どうしてこんなに原稿の量が減ってるの?」怒りと悲しみが入り混じった表情で責める妻に......