小山内裕

小山内裕

書くのが諦めきれず書いています。

スコールの海を抜けて

自分が喉から手が出るほど望んだ、妊娠、出産、そして育児……。心からの願いが叶って幸せのはずなのに、幸福感どころか、切羽詰まった空気に覆われて、息ができなくなりそうになる。 自分で望んで母親になったのに……。 目の前の小さな燃えるよな命のかたまりに圧倒され、赤ちゃんの絶え間ない涙と泣き声の中に自分がかき消されそうになっていく。

  • 小説
  • 短編
  • 全年齢対象
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