一

本名に「一」がつくから「一」です。むしろ八が好きです。

色々な世界を旅したいと思いました。
色々な言葉を喋りたいと思いました。
けれど、実現する為の諸々は、未だ満たされぬままです。

そんな時、コンビニで何気なく一冊手に取りました。
私は居ながらに旅をしました。
私は居ながらに様々な言語で話していました。

そんな言葉を、誰かの心で、私も紡ぎたいのです。

季節の森

近隣諸国との衝突が激しさを増す平成二十八年六月。 日本は戦争を始めた。 広島県広島市、警戒区域内に構える印刷会社に努めて六年目、碓氷 聡(うすいさとし)二十六歳は、諸々の面倒事を逃れるべく、同年十一月。辞表を提出する。 蜷川 千鶴(にながわちづる)三十四歳。広島市、警戒区域外にネットカフェ「心の蒼」を構える経営者である。時代の流れは商売の形態を少しずつ変化させ、自身が謳うポーカーフェイスもまた、その変化に戸惑う毎日を過ごしていた。 そんな折、日本全国に普及した薬物を使わない営利睡眠システム「季節の森」を営利目的で利用する聡と、無頓着にもこの装置で運営する千鶴は出会い、運命の歯車は刻々と回り始める。

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